日常生活に溶け込んでる、 エアコンや冷蔵庫で使われている技術にヒートポンプと呼ばれるものがあります。 ヒートポンプ技術は例えば、冷蔵庫に使われる場合はこんな説明がされています。   「ある流体を圧縮し、さらにそれを気化し、その気化熱により周囲の空気を著しく冷却する。」   これが冷蔵庫で使われる場合のヒートポンプ技術です。   冷蔵庫というと冷やすだけの機械と思いがちですが、 冷蔵庫の後ろでは熱を放出しています。   すなわちヒートポンプは冷却と同時に加熱も行なっているのです。 どちらの熱を利用するかによって加熱も冷却もどちらもでき技術的に差はありません。   低い所の水はポンプで高い位置に汲みあげる事ができるように、ヒートポンプでは熱を汲みあげる事ができます。 つまり、低熱源から熱を奪い、その熱を高熱源に移動させる事ができます。   温度の低いところから熱を汲み上げて(貰って)、温度の高いところに移す??   具体的には20℃の部屋から10℃分の熱を貰って、(この部屋は10℃になります。) 別の30度の部屋に10℃分の熱を移して40℃にする。 こんなイメージです。 低いところから熱を貰って、高いところに移すというのはちょっと伝わりにくいと思うので、 どういった過程を経てヒートポンプ技術では熱の移動を行っているのか説明していきます。  

ヒートポンプの原理

  ヒートポンプでは熱の移動に、蒸発、圧縮、凝縮そして膨張といった熱現象を利用します。 (液体は蒸発して気体になるときに熱を奪っていって温度は低下する。気体は圧縮する時、圧力に比例して温度が上がる等)   ヒートポンプ   熱の移動は図のように行われています。 引用:http://www.geohpaj.org/introduction/qa/2-1 ヒートポンプ内は、低沸点の冷媒(代替フロンなど)が熱移動媒体として循環しています。 暖房時には、低温で液状の冷媒は、蒸発器(熱交換器)の場所で低温の熱源(地中熱利用ヒートポンプの場合、地中で熱交換したきた液体)から熱を獲得し、気化します。 次に、気化した冷媒は圧縮器で加圧され、昇温されます。昇温したガス状の冷媒は熱交換器に移動し、そこで熱を貰った温水が室内へ供給されます。 温水に熱を奪われた冷媒は、その後ガスから液体に戻り、膨張弁の所で冷却され、再び最初の蒸発器に戻ります。冷房の時は、暖房と逆サイクルとなります。   なぜ、サイクルを利用してまでヒートポンプ技術が使われているかというと ヒートポンプ技術はとてもエネルギー効率がよいからです。   ヒートポンプ技術では加えた熱エネルギーに対して、 その3~6倍ものエネルギーを生み出す事ができます。 (これは自己投資に似ています。自分の10万円投資して色々学んだら、 将来的にその知識を活かして30~60万円得る事ができた。みたいな!!)   対比として、ストーブや暖房ボイラー等は、 0.8~1倍のエネルギー効率になります。 それは加えた熱エネルギー以上の、エネルギーは得られないからです。   そしてヒートポンプ技術で利用されている、 蒸発、圧縮、凝縮そして膨張といった熱現象の 最も効率のよい状態変化はカルノーサイクルです。     カルノーサイクルとはこういったサイクルです。 https://eman-physics.net/thermo/carnot.html http://d-engineer.com/netsuriki/kcycle.html       もっと詳しい解説は機械工学便覧DVDーROM版 ()