【2019年_尾崎信利】エンドミルびびり加工面模様の二次元離散フーリエ変換を用いた画像処理に基づく状態推定方法の検討
- 公開日:
https://www.jstage.jst.go.jp/article/transjsme/85/879/85_19-00292/_pdf
Title (英語と日本語):
State estimation based on image processing of chatter mark on end-milled surface by two-dimensional discrete Fourier transform
エンドミルびびり加工面模様の二次元離散フーリエ変換を用いた画像処理に基づく状態推定方法の検討
Journal Name & Publication Year:
Transactions of the JSME, Vol.85, No.879, 2019
First and Last Authors:
Nobutoshi Ozaki, Eiichi Aoyama
First Affiliations:
Graduate School at Doshisha University
Abstract:
本研究では、エンドミル加工中に発生する自励びびり振動の周波数と位相差を解析するために、二次元離散フーリエ変換を用いた画像解析手法を提案する。これにより、びびり振動が加工面に与える影響を定量的に評価し、従来の視覚観察による手法に比べて高い安定性と精度を実現した。
Background:
びびり振動は、加工面の仕上げ品質の低下や工具の寿命短縮を引き起こすため、製造業における重要な課題である。特にエンドミル加工においては、自励びびり振動が発生しやすく、加工の安定性に影響を与える。
Methods:
本研究では、市販のデジタルカメラと加工機械を用いて、エンドミル加工面の画像を取得。得られた画像を二次元離散フーリエ変換により解析し、びびり振動の周波数と位相差を導出する手法を提案。この手法の有効性を検証するために、変位センサによる振動解析との比較も行った。
Results:
画像解析によって得られたびびり振動の周波数と位相差は、変位センサによる振動解析結果と一致し、高い精度でびびり振動を推定できることが確認された。
Discussion:
提案手法は、加工面のびびり模様から高精度でびびり振動情報を取得できるため、視覚観察に依存しない安定した評価が可能である。また、加工機械の速度や工具の摩耗状態に応じてリアルタイムで適応可能な制御システムの構築に寄与する。
Novelty compared to previous studies:
従来のびびり振動解析手法は主に視覚観察に依存していたが、本研究では二次元離散フーリエ変換を用いることで、画像全体から周期性を高精度かつ安定的に解析できる点が新しい。
Limitations:
本手法は、びびり模様以外の要因による表面の起伏や光沢などの影響を受けるため、精度向上のためにはさらなる画像処理技術の改善が必要である。
Potential Applications:
本研究で提案した手法は、高精度な加工が要求される分野(例えば、航空機部品や精密機械の製造)において、びびり振動の制御と加工品質の向上に役立つと考えられる。





