NTTは29日、上場子会社のNTTドコモの完全子会社化に向け、株式公開買い付け(TOB)を実施すると発表した。TOB期間は今月30日~11月16日で、買い付け価格は1株3900円。必要な資金として最大4兆3千億円の融資を三菱UFJ銀行など六つの金融機関から受ける。一体的な経営でドコモの競争力を強化し、菅義偉首相が意欲を示す携帯電話料金引き下げに対応しながら成長を目指す。

完全子会社化が完了すると、ドコモは上場廃止となる。オンラインで記者会見した澤田純社長は「財務基盤を整えることで値下げの余力が生まれる」と説明。携帯料金引き下げを検討していくと明言した。

引用:https://news.yahoo.co.jp/articles/698c64ee6c5f28aaec8724e81839b97f5f370b42

構造変化によるメリット

メリット1:親子上場の廃止

 

〇親子上場とは

上場は会社の知名度と格が上がって会社の幹部が自分の肩書きを自慢できる・有利な条件で求人できる・必要な資金を機動的に調達できる・銀行への新規借り入れ金利の交渉で優位に立てるといったメリットがある。

だが、子会社が上場していると表面上は意思決定が独立していたとしても、親会社が高値圏でのIPOと安値圏でのTOBを繰り返すことによって差額を稼ぐなど、親会社の利益を優先して子会社の他の少数株主の利益が阻害されるデメリットが存在する。

欧米と日本とでは会社に関する法律や証券取引所の規則は大差ないとされており、海外株式市場においても、モスクワ証券取引所に上場しているガスプロムとガスプロム・ネフチのように親子上場がみられる場合がある。日本では独特に浸透しているが、少数株主に対する権利が強い欧米では、親会社の株主と上場子会社の株主の利益が相反した場合、訴訟になるリスクもあることから、親子上場という概念は殆どないとされる[1]。

近年では子会社の配当利益が親会社以外の株主に流出することでグループとしての収益力の低下となることや、子会社であっても企業としての重要事項の決定のために株主総会の招集が必要となり、迅速な意思決定ができないこと、子会社の収益力が親会社を上回ることによる資本のねじれによる買収リスクが問題となったことで、資本関係の解消または完全子会社化による親子上場解消の動きも見られる。

引用:https://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%A6%AA%E5%AD%90%E4%B8%8A%E5%A0%B4

 

メリット2:ドコモやNTTの制約の解消 NTT法とは

NTT法とは、日本電信電話株式会社(NTT持株会社)およびNTT東日本(東日本電信電話会社)、NTT西日本(西日本電信電話株式会社)の特殊会社としての法的地位や事業内容、国の関与や規制などについて定めた法律。
NTT持株会社とNTT地域会社は旧電電公社が独占的に敷設・運用してきた電話回線網などの資産を受け継ぐ事業者であるため、NTT法によって民営化後も業務内容や経営に関する事項について一定の制限や国による関与が規定されている。

具体的には、政府による株式の所有割合を1/3以上とする規定や、外国人による株式取得の制限(合計1/3以下)、持株会社による地域会社の完全所有、最低限の通信・通話サービスを全国一律に提供する義務(ユニバーサルサービス)、地域会社による都道府県をまたぐ県間通信の原則禁止(ただし届け出により許可される)などが定められている。

また、役員の異動や事業計画の策定、利益の処分、定款の変更、他事業者との一体的なサービス提供などについては総務省の認可が必要とされる。事業や財産の公共性・公益性から、職員の賄賂の授受を禁じる、いわゆる「みなし公務員」規定も存在する。

NTT法が適用されるのは持株会社と東西地域会社のみで、旧電電公社の事業を受け継ぐ主要子会社のうちNTTコミュニケーションズ(NTTコム)、NTTドコモ、NTTデータには適用されない。ただし、コムとドコモの通信事業については電気通信事業法など他の法律により一定の規制を受けている。

引用:http://e-words.jp/w/NTT%E6%B3%95.html#:~:text=NTT%E6%B3%95%E3%81%A8%E3%81%AF%E3%80%81%E6%97%A5%E6%9C%AC,%E3%81%AA%E3%81%A9%E3%81%AB%E3%81%A4%E3%81%84%E3%81%A6%E5%AE%9A%E3%82%81%E3%81%9F%E6%B3%95%E5%BE%8B%E3%80%82

 

メリット3:グループで5GやIoT促進を見据えた構造変化

 

9月29日、NTTが移動体通信事業者のNTTドコモ(以下、ドコモ)を完全子会社化することを正式に発表した。公開買付(TOB)によって全株式の取得を目指しており、買付価格は1株あたり3900円。約4.3兆円で全株式を取得する。

NTTは、もともと6割強のドコモ株を保有し、連結子会社としていた。今回、完全子会社化とすることで、市場におけるドコモの競争力強化をはかることが最大の狙いだ。

ドコモは1980年代後半に設立され、移動体通信事業を担ってきた。固定のNTT東西、モバイル通信のドコモという役割分担だったが、モバイル通信が主流となり、ドコモはNTTグループの稼ぎ頭へと成長した。

ライバルとなるKDDIやソフトバンクはモバイルを中心に、固定事業を加えた通信全体をカバーする事業を展開するが、NTTとNTT東西はいわゆるNTT法によって規制されており、ドコモと一体となった事業は行えなかった。

引用:https://www.businessinsider.jp/post-221129

 

通信事業を巡る世界的な競争が激化する中で、次世代通信規格「5G」やIoT(モノのインターネット)など成長事業の展開に向け、グループ一体の経営を推し進める。週内の取締役会で決定する見通し。

5Gにせよ、次なる6Gにせよ、当面、そのバックホールとなるのは光回線であり、NTT東西は現時点で、70%のシェアを持っている。

5Gを見てもわかるように、5G以降のモバイルデータ通信では高い周波数帯域が使われるため、今まで以上に多くの基地局を展開する必要があり、その結果、より多くの光回線が利用されることになる。そうなれば、当然、光回線のシェアが高い通信事業者が大きな利益を得るわけだ。