岐阜県が計画し先行した石徹白清流発電所(市営発電所、出力63kW)は2015年6月に完成しました。

そして1年遅れて2016年6月に、農協営の石徹白番場清流発電所(125kW)が運転開始しました。
この発電所は総工費2億3000万円、全電力をFIT制度(固定価格買取制度)により売電します。

FIT制度が始まった今は、小水力発電に良い時代です。
過疎の村が活性化するには経済活動を盛んにしなければなりませんが、普通の商品は作っただけでは売れません。
売るための営業活動が必要になるのですが、農産加工品などの市場開拓は簡単ではありません。
先に紹介したふるさと食品加工施設も、販売が思うようにいかず一時閉鎖していたわけです。

ところが、水力発電の電機は、FITのおかげでかならず売れるという利点があります。
つまり、小水力発電は山間地の経済活動に確実性の高い成功をもたらし、成功体験が地域の人々に自信を与えてくれるのです。

そうなると、交流人口の増加や特産品販売につながる新しい事業を始める意欲がわいてきます。
平野さんは「小水力発電はきっかけにすぎない」という言葉をよく口にします。
それは、このような連鎖反応を指しているのです。

今、平野さんは石徹白地区のやり方を、岐阜県内あるいは県外の、同じく過疎で悩む地域に広める活動をしています。
見学者も年々増加し、石徹白地区で生まれたモデルが各地に広がろうとしてます。

また、石徹白には農業用水利用以外に、河川から直接発電用に取水する発電所の可能性があります。
これまでの取り組み周囲に波及することと併せて、新たな発電事業にも取り組んで欲しいと願っています。

 

 

もっと知るには・・・

 

水力発電に関して詳しく知るには:全国小水力利用推進協議会