「高市政権」（高市早苗氏が自民党総裁となって立ち上げようとしている政権）の概要

以下は、2025年10月13日時点での「高市政権」（高市早苗氏が自民党総裁となって立ち上げようとしている政権）の概要です。高市氏は10月4日に自民党総裁選で勝利し、総裁に就任しましたが、公明党の連立離脱など予期せぬ事態が続き、まだ首相指名を受けていません。将来の政策や課題を理解する上で、背景と現状を整理します。

背景と現状

• 自民党総裁選の勝利と党人事
  2025年10月4日に行われた自民党総裁選で、高市早苗氏が国会議員票・党員票の合計で小泉進次郎氏らを抑えて第29代総裁に選出されました。党員票では約4割を獲得し、その勢いで決選投票を制したと報じられていますtoyokeizai.net。10月7日の総務会で新たな党役員人事が決定され、麻生太郎氏が副総裁、鈴木俊一氏が幹事長、有村治子氏が総務会長、小林鷹之氏が政調会長などに就任し、「未来への不安を希望と夢に変える」ことを掲げていますjimin.jp。

• 公明党の連立離脱と政権の不透明さ
  10月10日、高市総裁と公明党の斉藤鉄夫代表が会談した際、公明党側から26年間続いた自公連立政権を解消する意向が伝えられましたjimin.jp。高市氏は、政治資金規正法改正に関する公明党案への賛否を即答できないと説明したところ、「具体的な回答ではない」として連立離脱を告げられたと述べていますjimin.jp。この決別により、衆参両院で自民党が少数与党となる見通しで、臨時国会の召集や首班指名が混乱しています。

• 市場や識者の評価
  ロイターに取材された市場関係者は、公明党の離脱によって円が一時買われた後に再び売られるなど、為替が乱高下したと述べています。市場では「今後発足するであろう高市政権の揺らぎ」への不安から反動が起きたとみられていますjp.reuters.com。また、政治学者は首班指名が混沌とし、石破茂首相（現職）が一時的に続投する可能性や衆議院解散の必要性を指摘し、高市政権が短命に終わるリスクを示していますjp.reuters.com。

想定される政策と課題

• 経済・財政
  高市氏は著書『国力研究』で「責任ある積極財政」と「危機管理投資」を掲げており、成長分野への投資と防衛・経済安全保障を両立させる政策を目指しています。党内では物価高対策を最優先課題とし、政調会長が「まずは物価高対策に党を挙げて取り組む」と述べましたjimin.jp。しかし、為替や株式市場はすでに「高市トレード」を織り込み済みであり、公明党離脱が広がると「決められない政治」へ陥る懸念がありますjp.reuters.com。

• 安全保障・憲法改正
  高市氏は保守派として知られ、憲法改正（とくに自衛隊の明記）や敵基地反撃能力の整備、経済安全保障の強化などを主張してきました。新政権では防衛費増額や宇宙・サイバー領域への投資が想定されています。ただし、野党や世論との調整が不可避であり、少数与党では改憲発議に必要な議席を確保できません。

• 女性登用・社会政策
  高市氏は自ら女性初の総裁であり、閣僚や党役員に女性を多く登用する意向を示しています。党内では広報本部長や総務会長など複数ポストに女性を配置しましたjimin.jp。また、子育て支援や教育改革も重点課題に挙げています。

• 連立協議の行方
  公明党の離脱により、国民民主党や日本維新の会との協力が取り沙汰されています。ロイターの市場専門家は自民党がガソリン税廃止や年収の壁の引き上げを巡って国民民主・維新と合意し、協力関係を深めるのがメインシナリオとみていますjp.reuters.com。他の野党が首班指名で候補者を一本化するのは難しいため、政局の行方はなお不透明です。

今後の見通し

高市政権（高市氏を中心とする政権構想）は、女性初の首相誕生や積極財政など話題性がある一方、連立崩壊による少数与党という厳しい環境でのスタートが予想されます。党としては物価高や格差拡大への対策を急ぎ、国民の不安を「希望と夢に変える」としていますjimin.jp。しかし、公明党との信頼関係の修復ができなければ、首班指名選挙での過半数確保や重要法案の成立は困難であり、政局が長期化する恐れがありますjimin.jp。

まとめ: 高市早苗氏は自民党総裁に選出され、新たな党役員の下で物価高対策や積極財政などの政策を掲げていますjimin.jp。しかし、公明党が連立を離脱したため、首相指名および政権成立が不透明となり、「高市政権」は現時点で発足しておらず、少数与党による政権運営には短命のリスクが指摘されていますjp.reuters.com