① 層流の場合、管摩擦係数(\( f \))はレイノルズ数(Re)に反比例して \( 64/\text{Re} \) となるのは正しいです。これはハーゲン-ポアズイユ流れにおける公式な関係です。   ② レイノルズ数が2300程度を超えると、流れは通常層流から乱流へ遷移するというのは一般的な規則ですが、実際には遷移はパイプの粗さや流れの乱れ、流入条件など多くの因子に依存します。しかし、この値は層流から乱流への遷移を表す指標として広く受け入れられています。   ③ 同じレイノルズ数で流れが層流から乱流に遷移すると、管摩擦係数は通常大きくなります。乱流は層流よりも多くのエネルギーを散逸させるため、この記述は正しいです。   ④ 乱流域では、レイノルズ数が増加するにつれて、通常、管摩擦係数は減少するか、あるいはほぼ一定となります。乱流の場合、管摩擦係数はレイノルズ数による影響をそれほど受けません。したがって、この記述は不適切です。

乱流の経験式(Blasius式:

Re=4000105Re = 4000\sim10^5): f=0.3164Re1/4f = 0.3164 Re^{-1/4} 

つまり、乱流域ではReが大きくなると摩擦係数は減少します

⑤ 乱流域では、流れに不規則な渦運動が励起され、流体の混合が促進されるのは正しいです。乱流は流体粒子の交換を促進し、温度や濃度などのスカラー量の混合を促進します。   不適切な記述は④です。乱流における管摩擦係数はレイノルズ数が増加するとともに必ずしも大きくなるわけではありません。実際には、乱流における管摩擦係数はレイノルズ数が増加しても一定に近づくか減少する傾向があります。この理由は、高いレイノルズ数においては、流れの乱れが増えることにより、相対的な摩擦効果が減少するからです。 [解答]④ 参考