経産省による半導体戦略をもう一度見ていて思ったのですが、この戦略は「製造プロセス」ばかりに着目しており、半導体の設計に関しては、もう諦めてしまっているように見えるのがとても残念です。
考えてみれば、半導体設計の知的所有権の塊であるARMは、現時点で日本のソフトバンクの子会社であり、まもなく Nvidia に $40 billion で売却されようとしています。EUと米国が独占禁止法の観点から審査をしていますが、日本政府も、少なくとも独占禁止法の観点から審査をするぐらいの影響力を持つべきだと思います。
この買収に関しては、Qualcomm や Microsoft も懸念を表明しており、必要となれば資金を提供して独立した会社として上場させるつもりでいます。
ここは日本政府としても一肌脱ぎ、Qualcommらと共に資金を提供してソフトバンクから買い取り大株主になる条件の一つとして、日本にARMのデザインセンターを作り、日本に半導体設計の出来る技術者を育てるなどしても良いように思えます。
とは言え、そんな計画を政府が作ると、ITゼネコンから賞味期限の過ぎた人材が大量に送られて来たり、天下りして来たりして、せっかくのデザインセンターが、どうしようもない「お荷物集団」になってしまうのが目に見えているので、それをどう防止するかが最も難しいと思います。
引用 週刊 Life is Beautiful 2021年7月6日号
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