本来,材料の有する機械的性質,物理的,電気的および化学的性質を調べる試験の総称である.しかし,今日,狭義には機械要素や構造部材の設計に不可欠な基礎資料である機械的性質を調べる試験をさす.各種新素材の開発と共に,新たな材料試験も考案されてはいるが,工業材料の機械的性質を測定する基本的試験は,荷重速度によって分類する静的試験および動的試験,および試料または試験片を破壊させるか否かによって区別する破壊試験および非破壊試験に大別される.前者には以下のような試験がある.①静的試験:引張試験,圧縮試験,曲げ試験,抗折試験,ねじり試験,せん断試験,硬さ試験,クリープ試験,応力緩和試験,破壊靭性試験など,②動的試験:衝撃試験,疲労試験,摩耗試験,動的粘性試験など.これら以外に,材料が実際に使用される状態を想定して,おもに材料の加工性に関連した諸性質を調べる特殊な工業的試験として,塑性加工試験,切削試験,研削試験,鋳造試験,溶接試験などがある.機器・要素の設計に際して最も重要な情報は外力の作用に対して示す構成要素の応答である.多くの場合,破壊に対する抵抗を表す強度と変形に対する抵抗が重要な指標となり,上述の各種試験もそれらを調べる試験である.また,材料試験は,その結果のはん用性から,できるだけ簡便,迅速かつ低費用で実施でき,さらに異なる材料間で結果の相対比較ができるものでなければならず,そのため,各試験法が規定されている.

https://www.jsme.or.jp/jsme-medwiki/doku.php?id=07:1004626

機械設計に対する材料試験の意義

https://www.jstage.jst.go.jp/article/jsmemag/64/513/64_KJ00003066822/_pdf/-char/ja

Title (English & Japanese): The Significance of Material Testing in Mechanical Design / 機械設計に対する材料試験の意義

Journal Name & Publication Year: Journal of the Japan Society of Mechanical Engineers, October 1961 / 日本機械学会誌, 1961年10月

First and Last Authors: Tanaka Minoru, Shiraishi Takayoshi

First Affiliation: Japan Society of Mechanical Engineers

Abstract: (この論文は要約を含んでいません。)

Background: この論文では、機械設計における材料試験の重要性とその適用について議論しています。設計における材料の機械的性質、特に引張強さ、硬さ、衝撃強度、疲労強度などの特性がどのように考慮されるべきかを焦点にしています。

Methods: 方法に関する具体的な記述はありませんが、一般的に材料試験として引張試験、衝撃試験、疲労試験などが言及されています。

Results: 設計における材料選定の際、単一の試験結果に依存するのではなく、複数の機械的性質を総合的に評価する必要性が強調されています。特に、材料のばらつきや表面処理の影響についても議論されています。

Discussion: 引張強さや硬さ、衝撃値、疲労限度の試験結果が、機械部品の設計においてどのように解釈され、適用されるべきかが議論の中心となっています。また、ばらつきや安全率の考慮についても触れられています。

Novelty compared to previous studies: 本論文では、従来の材料試験の結果をどのように設計に反映させるかという問題に加え、材料のばらつきや表面処理の影響についての新しい視点が提供されています。

Limitations: 具体的な実験データや統計分析が含まれていないため、議論は理論的なものにとどまっています。

Potential Applications: 機械設計における材料選定や設計基準の設定において、本論文で議論された視点が応用される可能性があります。

機械設計に対する材料試験の意義はなんですか?

機械設計に対する材料試験の意義は、設計時に使用する材料の機械的特性を正確に把握し、それを基に設計に反映することにあります。具体的には、引張強さ、硬さ、衝撃強度、疲労強度などの特性を評価し、これらの試験結果を設計にどのように組み込むかが重要です。材料のばらつきや表面処理の影響も考慮に入れ、最適な材料選定や設計基準の設定を行うために、材料試験が不可欠であるとされています。

材料試験で一般的に行われているのはなんですか?

材料試験で一般的に行われているのは、以下のような試験です。

引張試験: 材料を引っ張って破壊するまでの強度や伸びを測定し、引張強さや延性などの機械的特性を評価します。

硬さ試験: 材料の硬さを測定し、表面の耐摩耗性や強度を評価します。代表的な方法にはブリネル硬さ試験、ビッカース硬さ試験、ショア硬さ試験などがあります。

衝撃試験: 突然の衝撃に対する材料の抵抗力を評価します。シャルピー衝撃試験やアイゾット衝撃試験が一般的です。

疲労試験: 繰り返し荷重をかけて、材料の疲労強度や疲労寿命を評価します。機械部品の長期的な使用における信頼性を確認するために重要です。

これらの試験は、機械設計における材料選定や安全性の確保において重要な役割を果たしています。

機械加工性についてはどのように触れられていますか?

「機械加工性」については、材料の硬さと引張強さが密接に関連していることが触れられています。具体的には、高い引張強さを持つ材料は硬さも高くなる傾向にありますが、機械加工性が低下する可能性があるという点が議論されています。特に、設計においては、高い引張強さと同時に加工しやすい特性を求められる場合があり、そのバランスを考慮する必要性が指摘されています。