https://www.pref.hiroshima.lg.jp/uploaded/life/708587_7024433_misc.pdf Title (英語/日本語): Study on Utilization of a Vision System III: Monitoring system for high-speed milling ビジョンシステムの実用化に関する研究開発(第3報):高速ミーリングに対応した切削加工モニタリングシステムの開発 Journal Name & Publication Year: 広島県立東部工業技術センター研究報告 No.19 (2006年) First and Last Authors (英語): TAKEYASU Yoshihiro, OKADA Yoshio First Affiliations (英語): Hiroshima Prefectural Eastern Industrial Technology Center Abstract: この論文では、高速ミーリングに対応した切削加工モニタリングシステムを提案している。このシステムは、加工機内に設置されたカメラを使用して、回転中の工具の静止画像を撮影できる。このシステムを使用することで、直径1mmの工具が150,000回転/分で回転している様子を観察することが可能である。さらに、加工実験を通じて、このシステムが高速ミーリングにおける工具異常診断に有用であることを確認した。 Background: 日本の生産技術において、高精度な微細形状部品の加工技術が重要視されている。特に高速ミーリングは、エレクトロニクスや医療分野での微細形状金型の高精度加工において注目されている。この論文では、これまでの研究成果を基に、さらに高度なモニタリング技術を開発することを目指している。 Methods: カメラ部の改良: CCDカメラを使用し、回転中の工具の画像を観察。倍率を高めるためにエクステンダーレンズを追加。 回転位置センサ: 工具の回転位置を正確に検知するため、光ファイバセンサを使用。 観察実験: 150,000回転/分で回転する工具を仮想停止させるための観察実験。 加工実験: オーステナイト系ステンレス鋼(SUS304)の側面切削実験。 Results: 150,000回転/分で回転する直径1mmの小径工具の画像を鮮明に撮影することができた。 工具の異常診断が迅速化され、回転中工具の触れや工具長の測定が可能であることを確認。 Discussion: このシステムは、従来の高価な高速度ビデオカメラを使用することなく、高速ミーリングにおける切削加工のモニタリングが可能であることを示した。一方で、画像のノイズや不鮮明さを改善するために、さらなる技術開発が必要である。 Novelty compared to previous studies: 前回の研究では、工具の回転に同期したストロボ照明の活用による観察が行われたが、今回は150,000回転/分というさらに高速な条件下での観察を可能にした点が新しい。 Limitations: 観察画像にノイズが多く、より鮮明な画像を得るためには、さらに高性能なカメラや照明が必要である。 Potential Applications: 本システムは、精密加工が要求されるエレクトロニクスや医療分野における微細形状部品の製造において、重要なツールとなり得る。 powered by abotify.com システムの構成を教えてください システムの構成: この論文で紹介されている高速ミーリングに対応した切削加工モニタリングシステムは、以下の構成要素で成り立っています。 カメラ部の構成: CCDカメラ: 白黒カメラモジュール (ソニー製 XC-HR50) を使用し、1/3型プログレッシブスキャンCCDでVGAクラス(648×494ピクセル)の解像度を持つ。 レンズ: 50mm固定焦点レンズに加え、2×エクステンダーレンズとスペーサー(鏡筒)を使用して倍率を高め、直径1mm以下の小径工具を観察可能にした。 ストロボ照明: 高輝度の白色LED (ルミレッズ社製 LXHL-NWE8) を使用し、ストロボ照明を行うことで回転中の工具を仮想停止させて観察する。 レンズ防塵方式: 圧縮空気を光軸上に噴出することで、レンズの防塵対策を実施。 回転位置センサ: 光ファイバセンサ: 回転位置センサとして、主軸に貼った反射テープの位置を検知し、ストロボ照明の閃光タイミングを決定する。スポット径が小さく応答時間の短い光ファイバセンサ (キーエンス社製) を採用。 観察アプリケーション: ソフトウェア制御: ストロボ照明の閃光タイミングと閃光時間をパソコンで制御し、観察刃先指定ボタンなどの追加により、任意の刃先画像を瞬時に映し出せるようにした。 工具観察環境: 防塵装置: カメラ部を防塵装置で保護し、さらにハウジングを小型化することでシステム全体のコンパクト化を図った。 これらの構成要素により、システムは150,000回転/分で回転する工具を仮想的に停止させ、鮮明な静止画像を取得することが可能になっています。