技術士の行動原則およびプロフェッションの概念を明確にしている。なお、技術士プロフェッション宣言の全文を参
考資料に、技術士の行動原則を次のとおり規定している。

① 高度な専門技術者にふさわしい知識と能力を持ち、技術進歩に応じてたえずこれ
を向上させ、自らの技術に対して責任を持つ。
② 顧客の業務内容、品質などに関する要求内容について、課せられた守秘義務を順
守しつつ、業務に誠実に取り組み、顧客に対して責任を持つ。
③ 業務履行にあたりそれが社会や環境に与える影響を十分に考慮し、これに適切に
対処し、人々の安全、福祉などの公益をそこなうことのないよう、社会に対して
責任を持つ。

また、プロフェッションの概念として「厳格な職業倫理を備える」などとしている。

 

すなわち、技術士は自律的な規範に従い、協働して資質の保持・向上を図る、専門職
であることを宣言したのである。

 

 

技術士は自ら広いネットワークを構築し、専門を異にする技術士同士との協働ができることも重要である。技術士は、科学技術
全般にわたる技術者群のリーダーとして業務を遂行する能力が求められる。

 

 

社会では顧客は、困ったこと、解決して欲しいことを問題として提示するのみである。
すなわち、「正解は自分が作る」のである。

 

ここで「正解」とは、その時点での「最適な解」である。もし間違った答えを出し
た場合、または、答えを出さなかった場合、社会的な問題になるリスクを内在させる
ことを念頭におく必要がある。

また、問題に対する「正解」は上司、先輩にもなく、
相談すると自らの経験をもとに答えてくれるかもしれないが、「正解」に結びつくかど
うかは不明である。すなわち、「正解」は自ら考え、判断して導き、出した答えには責
任を持つ必要がある。

 

 

専門分野における専門技術知識の理解と応用能力は、技術士が技術士業務を行う上
で最も基本となる知識・能力と言える。

 

技術士として専門技術に関する知識を理解し応用する能力は、
それぞれの専門分野ごとに異なり、また自分の専門領域を広げると
きには新たな分野の専門知識を理解し、応用能力を獲得する必要がある。

 

技術はその時代・社会によって大きく影響を受けており、技術部門や専門分野も大きく変遷する。
核となる自分自身の専門分野のみならず、その周辺技術にも関心を払うことによって、
複数の技術が複雑に絡んだ現代の問題を解決することが可能となる。

技術的問題の解決にあたって自己の専門分野のみで解決できるケースは限定され
ており、他の専門分野の技術者の協力を得て解決すべき問題は多く、自分の専門技術
領域を広げる努力が重要となっている。