電力損失にある鉄損はなぜ無負荷損になり、銅損は負荷の大きさの2条に比例して増減するのですか?

電力損失に関する鉄損と銅損の違いを説明しますね。

鉄損(無負荷損):

鉄損は、変圧器やモーターのような電気機器の鉄心における損失です。
この損失は、主にヒステリシス損と渦電流損から成ります。
ヒステリシス損は磁化と脱磁化の過程で生じ、渦電流損は磁場の変化により鉄心内に発生する渦電流が引き起こします。
鉄損は装置が動作している間、ほぼ一定です。つまり、負荷の大きさにかかわらず、ほぼ同じ量のエネルギーが損失されます。
銅損(負荷損):

銅損は、電気機器の巻線(通常は銅製)に生じる損失です。
この損失は、巻線を流れる電流によって生じます。電流が増加すると、抵抗による発熱(I^2R 損失)が増加し、損失も増えます。
したがって、銅損は負荷の大きさに比例し、特に電流の二乗に比例して増加します。
これらの違いにより、鉄損は基本的に無負荷状態でも一定量発生し、銅損は負荷の大きさによって増減する性質を持っています。

 

変圧器の最高効率時は鉄損と銅損が等しくなるのはなぜですか?

変圧器の最高効率が得られるのは、鉄損と銅損が等しい時です。これは以下の理由によります。

鉄損と銅損の特性:

鉄損は変圧器が動作している限り、ほぼ一定です。変圧器の負荷に関わらず、鉄損は変わりません。
一方で、銅損は負荷の大きさに比例します。負荷が増加すると、電流も増加し、銅損も増加します。
効率の定義:

効率は、供給されるエネルギーに対する有効に使用されるエネルギーの割合です。
変圧器の損失は、鉄損と銅損の合計です。この損失が最小になる時、効率は最大になります。
バランスポイント:

鉄損は一定なので、負荷が少ない時は鉄損が主な損失源です。
負荷が増えると、銅損が増えていきます。
ある特定の負荷点で、鉄損と銅損が等しくなります。この時、両者の合計損失が最小となり、効率が最大になります。
このように、変圧器の効率は鉄損と銅損のバランスによって最適化されます。この最適な負荷点で、変圧器は最高の効率を発揮します。

絶縁油の役割を教えて下さい

絶縁油は、特に変圧器やいくつかの種類の高電圧スイッチ機器で使用され、主に以下の役割を果たします:

絶縁:

電気機器の重要な部分である絶縁体として機能します。絶縁油は、高電圧の部品間での電気的なアーク(放電)を防ぐために使用されます。
冷却:

変圧器や他の電気機器で発生する熱を吸収し、機器の温度を下げます。熱は油中を循環し、変圧器の外側で放熱されることで、機器の過熱を防ぎます。
機器の劣化防止:

油中に含まれる酸素や湿気を減らし、機器の内部部品の腐食や劣化を防ぎます。
診断指標:

変圧器の絶縁油は、機器の健康状態をモニタリングする手段としても使用されます。油の化学的、物理的性質の変化を分析することで、機器内部で発生している問題を早期に検出することができます。
これらの役割により、絶縁油は高電圧機器の安全かつ効率的な運用に不可欠な要素です。

油は絶縁物質ですか?
水溶性油も絶縁物質ですか

油に関して、その性質は種類によって異なりますが、一般的に以下のように考えられます:

油は絶縁物質ですか?

多くの油、特に変圧器油のような特殊な用途に使用される油は、良好な絶縁性を持っています。これらの油は、電気を通しにくくするために特別に処理されています。そのため、高電圧機器で絶縁体として広く使用されています。
水溶性油も絶縁物質ですか?

水溶性油は、水と混ざることができる油を指します。この種の油は、通常、潤滑や冷却の目的で使用され、絶縁性能に特化しているわけではありません。
水と混ざる能力があるため、これらの油は通常、電気的な絶縁材料としては適していません。水は電気を通しやすいため、水溶性油も電気絶縁材料としては適切ではない可能性が高いです。
結論として、特定の用途に適した油は良い絶縁材料となり得ますが、すべての油が絶縁性を持つわけではなく、特に水溶性油は絶縁材料としては適していないことが多いです。

 

サラダ油は絶縁物質ですか?

サラダ油は基本的に絶縁物質です。一般的に、純粋な植物油(サラダ油を含む)は電気を通しにくい性質を持っています。これは、油が水や多くの電解質を含まないため、良好な絶縁体として機能するからです。

しかし、実際の応用においてはいくつかの点に注意が必要です:

純度と汚染:

サラダ油の絶縁性は、その純度に大きく依存します。水分、塩分、その他の不純物が混入していると、電気伝導性が高まり、絶縁性が低下します。
温度:

温度が上昇すると、サラダ油の絶縁性は低下する可能性があります。
長期的な安定性:

サラダ油は時間の経過と共に酸化したり劣化する可能性があります。これにより、絶縁性能が変化する可能性があります。
専門的な用途:

高電圧や特殊な電気機器の絶縁には、通常、特別に処理された専用の絶縁油(例えば変圧器油)が使用されます。サラダ油はこのような特殊な用途には適していない可能性が高いです。
したがって、理論的にはサラダ油は絶縁物質として機能しますが、実際の電気機器での使用には適さない場合が多いです。専門的な用途では、適切な性能と安全性を備えた専用の絶縁油を使用することが重要です。

 

変流器は一次巻線に電流が流れている時、電流は鉄心をとおり二次巻線に流れませんか?

変流器(CT: Current Transformer)において、一次巻線と二次巻線の間の動作原理を理解することは重要です。

一次巻線の電流:

変流器の一次巻線には、測定したい電流が流れます。この電流は高い値を持つことが多いです。
鉄心の役割:

一次巻線を流れる電流によって鉄心内に磁場が生成されます。この磁場は変流器の鉄心を通って二次巻線に伝わります。
二次巻線の電流:

二次巻線には、一次巻線の電流に比例したが、大幅に低い電流が流れます。この変化は、一次巻線と二次巻線の巻数比によって決定されます。
二次巻線の電流は、一次巻線の電流を安全なレベルに「変流」して、測定や保護装置に適用可能にします。
電流の流れ:

重要なのは、一次巻線の電流が直接二次巻線に「流れる」のではなく、鉄心を介してその磁気的エネルギーが伝達され、それによって二次巻線に新たな電流が発生する点です。
要するに、変流器は一次巻線の電流を直接二次巻線に伝えるのではなく、磁場を介して一次電流に比例した別の電流を二次巻線で生成します。これにより、高電流を安全で扱いやすいレベルの電流に変換することができます。

 

巻線と鉄心は接続されているので、電流は流れないのですか?
電流が流れないようにどのように制御しているのですか?

変流器における巻線と鉄心の関係を理解するには、電磁誘導の基本原理を考慮する必要があります。

巻線と鉄心の物理的接続:

変流器の一次巻線と二次巻線は、物理的には鉄心を介して接続されていますが、電気的には互いに分離されています。つまり、一次巻線と二次巻線は、電気的には直接接続されていないのです。
電磁誘導の原理:

一次巻線に流れる電流によって鉄心内に磁場が発生します。この変化する磁場が二次巻線を通過すると、電磁誘導により二次巻線に電圧が誘導されます。
電流の生成:

二次巻線に誘導された電圧によって、二次巻線に電流が流れます。この電流の大きさは一次巻線の電流と巻数比によって決定されます。
電流の制御:

電流が流れないように「制御」する必要はありません。むしろ、変流器は一次巻線の電流を安全なレベルに変換するために設計されています。一次巻線の電流は直接二次巻線に「流れる」のではなく、磁気的結合によって関連する電流が二次巻線で生成されるのです。
結論として、変流器では物理的に接続された巻線と鉄心を介して、電磁誘導により一次巻線の電流に比例した電流が二次巻線に生成されます。これにより、高電流をより低い安全な電流レベルに変換することができます。

 

電気的な分離はどのように行なっているのですか?

変流器(CT)における一次巻線と二次巻線の電気的な分離は、その構造によって実現されています。具体的には以下の方法で行われます:

物理的な分離:

一次巻線と二次巻線は物理的に分離されており、互いに接触していません。この物理的な隔離が電気的な分離を保証します。
絶縁材料の使用:

一次巻線と二次巻線は、通常、絶縁材料で巻かれています。これにより、巻線間の直接的な電気的接触が防止されます。
鉄心の役割:

鉄心は磁気的経路を提供しますが、電気的には中性です。一次巻線で生成された磁場は、鉄心を通って二次巻線に伝達されますが、電流自体は伝達されません。
磁気的結合:

一次巻線と二次巻線の間の結合は、磁気的なものです。一次巻線を流れる電流によって生じた磁場が、二次巻線に誘導電圧を生じさせることで、電流が発生します。
これらの構造的特徴により、変流器の一次巻線と二次巻線は電気的に分離され、安全かつ正確な測定を可能にしています。電流は直接伝達されるのではなく、磁気的な結合によって一次から二次に伝達されるのです。