(4)接地工事の省略条件
①C 種・D 種において金属体と大地間の電気抵抗 R が接地抵抗値よりも小さいとき
R が 10 Ω以下ならば C 種は省略可,R が 100 Ω以下ならば D 種は省略可
②機械器具を 乾燥 した木製の床に施設するとき
③人が触れるおそれがないように,木柱の上に機械器具を施設するとき
④使用電圧が直流 300V または対地交流電圧 150 V 以下の乾燥した場所に施設するとき
⑤鉄台や外箱の周囲に 絶縁 台を設けるとき
⑥二重絶縁構造の機械器具を施設するとき
⑦電源側に絶縁変圧器を施設し,かつこの変圧器の負荷側電路を接地しないとき
⑧外箱のない計器用変成器がゴム,合成樹脂その他の絶縁物で被覆されているとき
⑨乾燥した場所で 漏電遮断器 (定格感度電流が 15mA 以下,動作時間 0.1 秒以下)を施設するとき

について質問してもいいですか?

もちろん、質問していただいて構いません。上記のリストは、特定の条件下での接地工事(アース工事)の省略に関するガイドラインを示しています。これには、特定の電気抵抗値を下回る場合や、特定の設置条件(例えば、乾燥した木製の床や木柱上、二重絶縁構造の利用、絶縁変圧器の使用、漏電遮断器の設置など)に該当する場合の接地工事の省略が含まれます。各項目は、電気設備の安全性を確保しつつ、工事の効率化やコスト削減を目的としています。具体的な状況や規定についての詳細は、関連する電気工事規程やガイドラインを参照してください。

機械器具を 乾燥 した木製の床に施設するとき はなぜ接地しなくてもよいのですか?

乾燥した木製の床に機械器具を設置する場合、接地を省略できる理由は、木材が良い絶縁体であるためです。木製の床は乾燥していると、電気を通しにくくなります。そのため、万が一機械器具から漏電が発生しても、木製の床が電流の流れを妨げ、感電事故のリスクを低減します。接地工事は通常、電流の安全な逃がし方を提供するために行われますが、木製の床の場合はその必要性が低下するため、この条件下では省略が可能とされています。

機械器具に漏電していた場合、それに触ると感電しないのですか?

乾燥した木製の床に設置された機械器具に漏電が発生した場合でも、感電するリスクは低減されますが、完全にないわけではありません。木製の床は良い絶縁体ですが、漏電がある場合、機械器具に直接触れると感電の危険が依然として存在します。安全性を確保するためには、漏電保護装置(GFCI/ELCB)の使用や定期的な機器の点検が推奨されます。安全な使用のためには、常に適切な安全措置を講じることが重要です。

木製の床が絶縁物なので、人が触っても「機械⇒人⇒木製の床」という経路で電気流れないため安全という解釈でよいですか?

はい、その解釈で正しいです。木製の床は良い絶縁体であるため、機械から人へ、そして木製の床へと電気が流れる可能性は非常に低くなります。したがって、「機械→人→木製の床」という経路での電気の流れはほとんど起こらず、感電のリスクは大幅に減少します。ただし、これは絶縁性が高い状態の木製の床に限られるため、床が湿ったり損傷している場合は、その絶縁性が低下することに注意が必要です。安全のためには、常に適切な安全対策を講じることが重要です。

機械器具を 乾燥 した木製の床に施設していても、例えば近くにある水道配管などに触れたら感電しますよね?

はい、その通りです。乾燥した木製の床に機械器具が設置されていても、近くの水道配管など他の導電体に触れると、漏電した電気はその導電体を通じて地に流れ、その経路に人が触れた場合は感電の危険があります。このため、漏電のリスクがある環境では、電気工作物の近くにある金属製の配管やその他の導電体には特に注意が必要です。安全対策として、漏電保護装置の使用や定期的な検査が重要になります。