臨界点 臨界圧力 臨界温度とは

臨界点(Critical point)は、物質が液体と気体の相転移の境界を示す特定の圧力と温度の組み合わせです。臨界点において、物質は液体と気体の区別がほとんどなくなり、その性質が極めて変化します。

通常、物質は一定の圧力と温度の範囲内で液体または気体のいずれかの状態を取る傾向があります。液体と気体の相転移は、一定の温度での圧力変化によって引き起こされます。しかし、臨界点に達すると、液体と気体の間の界面が消失し、その物質は超臨界流体として振る舞います。

臨界点を超えた場合、物質の密度、粘度、圧縮性などの物理的特性が急激に変化します。超臨界流体は、高い密度を持ちながらも低い粘度を示し、気体のような自由な拡散運動を行うことができます。また、超臨界流体は圧縮性があり、圧力を変化させることで密度や溶解性が変化します。

臨界点は、物質ごとに異なります。一般的に、臨界温度と臨界圧力の組み合わせは、物質の化学組成や分子構造によって決まります。例えば、水の臨界点は約374°Cと22.1 MPaです。二酸化炭素の臨界点は約31°Cと7.4 MPaです。

水力発電における総落差(Total Head)と有効落差(Net Head)

総落差(Total Head)は、水力発電所において水の高低差を表す指標です。総落差は、水源の上流から水が発電所のタービンまで下がる際の高低差を示します。一般的には、ダムや水源からタービンまでの垂直方向の高低差を指します。

有効落差(Net Head)は、総落差から水力発電所内の損失や制約を考慮した、実際にタービンで利用可能な落差を示す指標です。水力発電所内では、水の摩擦や圧力損失、流量制約などの要因によって、総落差よりも有効な落差が制限される場合があります。したがって、有効落差は実際の発電能力を示す重要なパラメータです。

 

ダムの基礎

ダムの基礎知識

 

水車の比速度とは?

水車の比速度は前述の通り、水車の特性を推測するための指標となっています。水車の比速度は、水車と相似な水車を仮定し、これを単位落差(1m)の下で相似な状態で運転させます。そして、単位出力1kWを発生させたときの1分間当たりの回転数min^{-1}を言います。比速度の単位としては、落差[m]と出力[kW]で計算した比速度という意味で一般的に[mkW]が使用されています。

つまり、水車の比速度とは水車の種類に応じてその能力を比較するために、単位高さ・単位出力当たりの回転速度を求めることに他なりません。水車の比速度の仕組みを覚えやすいように図で示すと以下のようになります。

[水力発電]水車の比速度の意味、式や問題について

揚水発電

揚水発電で電動機の役割はなんですか

揚水発電では、電動機は主にポンプとしての役割を果たします。

揚水発電は、低い水位の貯水池(下池)から高い水位の貯水池(上池)に水を持ち上げることでエネルギーを蓄えます。この際、水を上池に移動させるためには外部のエネルギー源が必要です。そのエネルギー源として、電動機が使用されます。

電動機は、電力を供給されると回転し、水を吸い上げるポンプを駆動します。ポンプは水を下池から上池に押し上げる役割を果たし、貯水池間の水位差を維持します。この過程で、水は上池に蓄えられ、重力ポテンシャルエネルギーを蓄積します。

揚水発電では、上池に蓄えられた水を利用して発電を行います。発電時には、上池の水を下池に戻すために水車やタービンを使用します。水車やタービンは、水の流れによって回転し、発電機を駆動して電力を生成します。

このように、揚水発電では電動機がポンプの駆動に使用され、水の移動や貯水池間の水位差の維持に重要な役割を果たします。電動機の効率的な運転や制御は、揚水発電システムの効率や安定性に影響を与える重要な要素です。

揚水発電でポンプ効率と電動機効率という効率は違うものですか

はい、揚水発電においてポンプ効率と電動機効率は異なる効率の指標です。

ポンプ効率(Pump Efficiency)は、ポンプが水を押し上げる際にどれだけのエネルギーを効率的に変換できるかを示す指標です。ポンプ効率は、ポンプの設計や運転条件によって異なります。高いポンプ効率は、同じ流量でより少ない電力を消費して水を移動できることを意味します。ポンプ効率が高いほど、揚水発電システムのエネルギー効率が向上します。

一方、電動機効率(Motor Efficiency)は、電動機が電力を効率的に変換して動力を供給する能力を示す指標です。電動機効率は、電動機の設計や負荷条件によって異なります。高い電動機効率は、同じ電力でより多くの力を発揮することを意味します。電動機効率が高いほど、揚水発電システムの電力使用効率が向上します。

ポンプ効率と電動機効率は、揚水発電システムの異なるコンポーネントに関連しており、それぞれが独自の効率を示しています。ポンプ効率と電動機効率の両方を最大化することで、揚水発電システム全体のエネルギー効率を向上させることができます。

電動機は主にポンプとしての役割を果たしていますが、ポンプ効率とは別に扱われるのですか

 

申し訳ありません、誤解が生じました。

正確な情報を提供するために訂正いたします。電動機は主にポンプを駆動するために使用されることがありますが、ポンプ効率という概念は電動機自体ではなく、ポンプの性能を評価するための指標です。

ポンプ効率は、ポンプがエネルギーを変換する効率を表すものであり、ポンプ単体の性能評価に使用されます。ポンプ効率は、ポンプの設計や運転条件によって異なります。高いポンプ効率は、ポンプが与えられたエネルギーを水の運動エネルギーにできる程度を示します。ポンプ効率が高いほど、同じ入力エネルギーでより多くの水を移動させることができます。

一方、電動機効率は電動機自体の性能を評価する指標であり、電動機が電力を変換する効率を示します。電動機効率は、電動機の設計や負荷条件によって異なります。高い電動機効率は、電力を効率的に変換して機械的な動力を供給することができることを示します。

したがって、ポンプ効率と電動機効率は異なる指標であり、それぞれの装置の性能を評価するために使用されます。電動機はポンプを駆動する際に電力を供給する役割を果たしますが、ポンプ効率という用語は通常、ポンプ自体の性能を評価する際に使用されます。

コンバインドサイクルとコージェネレーションの違い

コンバインドサイクル(Combined Cycle)とコージェネレーション(Cogeneration)は、両方ともエネルギーの効率的な利用を目的とするエネルギー生産方式ですが、異なるシステムです。以下にそれぞれの違いを説明します。

コンバインドサイクル(Combined Cycle): コンバインドサイクルは、主に発電所で使われるエネルギー生産方式です。この方式では、ガスタービン発電(ガスタービンサイクル)と蒸気タービン発電(蒸気サイクル)を組み合わせることで、高い効率で電力を生産します。
まず、ガスタービンによって天然ガスや重油などの燃料を燃焼させ、高温の排気ガスを生成します。この高温の排気ガスは、蒸気を生成するためのボイラーに送られます。そして、ボイラーで生成された蒸気を蒸気タービンに導き、再び発電を行います。ガスタービンと蒸気タービンを組み合わせることで、熱エネルギーを効率的に利用することができます。

コージェネレーション(Cogeneration): コージェネレーションは、「熱電併給」とも呼ばれ、同時に電力と熱エネルギーを生産するシステムです。一般的に、産業プロセスや地域暖房などで広く利用されています。
コージェネレーションでは、一般的にガスエンジン、ガスタービン、蒸気タービンなどのエンジンが使用されます。これらのエンジンで発電を行う際に発生する熱エネルギーは、余剰熱として捉えられます。そして、この余剰熱をボイラーや熱交換器を通じて活用し、暖房やプロセス熱として利用します。その結果、一つのシステムで電力と熱エネルギーを同時に生産することができます。

要約すると、コンバインドサイクルは主に発電所で使われる高効率の電力生産方式であり、コージェネレーションは電力と熱エネルギーを同時に生産して効率的に利用するエネルギー生産方式です。

送電線の分野で
①微風振動
②コロナ振動
③スリートジャンプ
④ギャロッピング
⑤サブスパン振動
とはなんですか

送電線の分野において、上記の用語は次のように定義されます:

微風振動(Gust Response): 送電線が風の微弱な変動(微風)によって引き起こされる振動を指します。風の影響を受けて送電線が揺れることで、微風振動が発生します。微風振動は通常問題となりませんが、一部の条件下で振動の増幅が発生することがあります。

コロナ振動(Corona Discharge): 送電線や電力設備の高電圧部分で発生する電場の強い箇所により、空気が電離して放電(コロナ放電)が発生する現象を指します。コロナ放電は、高電圧によって引き起こされるものであり、周囲の空気を電離させることで光を放出することがあります。特に高電圧の送電線や導電体で発生し、電力ロスを引き起こすことがあります。

スリートジャンプ(Sleet Pellet Jump): 冬季における降雪の一形態で、融けた雪が再凍結してできた小さな氷の粒が送電線や電力設備にぶつかって跳ねる現象を指します。これにより、送電線の振動や損傷が引き起こされることがあります。

ギャロッピング(Galloping): 送電線が風の影響を受けて高さ方向に周期的に変動し、横方向の振動を引き起こす現象を指します。風速が一定の閾値を超えると発生しやすく、送電線の振動が増幅されることがあります。特に氷や雪が付着した送電線で問題となることがあります。

サブスパン振動(Subspan Oscillation): 送電線の支持構造(サブスパン)が風の影響を受けて振動する現象を指します。サブスパンは送電線を支える部分であり、風の力が影響を与えることで送電線全体に振動が伝わることがあります。

電力用ケーブルは、内部導体と外部導電層間の絶縁体により絶縁を保っているため、静電容量が送電線と比べると非常に大きい理由を教えてください

電力用ケーブルが送電線と比べて静電容量が非常に大きい理由は、主に絶縁構造によるものです。以下の理由により、電力用ケーブルの静電容量が増加します:

絶縁体の存在:電力用ケーブルは内部導体(通常は銅やアルミニウムなどの金属)と外部導電層(通常は導電性のシースやアーマー)の間に絶縁体が存在します。この絶縁体により、内部導体と外部導電層が電気的に分離され、電力ケーブルの静電容量が増加します。

電気的な構造:送電線は、主に空中に張られた導線であり、内部導体と外部導電層の間に絶縁体が存在しません。そのため、送電線の静電容量は非常に小さくなります。

電力用ケーブルが絶縁体によって内部導体と外部導電層が電気的に分離されるため、静電容量が大きくなります。この静電容量の増加により、電力用ケーブルに電圧をかけた状態(充電)でも、ケーブルの長さによっては大きな充電電流が流れることがあります。そのため、特に長距離の電力用ケーブルにおいては、充電電流への対策としてリアクトルを挿入する場合があります。

充電電流が大きいことから、電力用ケーブルにおいては絶縁耐力試験や断路器による充電電流の開閉に十分な注意が必要です。適切な保護措置を行うことで、電力用ケーブルの安全な運用を確保することが重要です。

電力用ケーブルが送電線の用途の違いを教えてください

電力用ケーブルと送電線は、電力伝送において異なる用途を持つ電気配線材料です。主な違いは以下の通りです:

電力用ケーブル:

地中または地下に敷設されることが一般的です。建物の電源配線や地下ケーブルトンネルで使用されます。
内部導体と外部導電層の間に絶縁体が存在し、絶縁体によって内部導体と外部導電層が電気的に分離されます。
一般的に低電圧(数百ボルトから数千ボルト)の電力伝送に使用されます。
フレキシブルで曲げやすい特性があり、配線が比較的容易です。
建物内部や地下での電力伝送に向いており、比較的短い距離で使用されます。
送電線:

主に空中に張られ、電柱や鉄塔などに取り付けられます。長距離の電力伝送に使用されます。
絶縁体が存在せず、内部導体と外部が直接露出しています。
高電圧(数十キロボルトから数百キロボルト以上)の電力伝送に使用されます。
高い耐候性が求められるため、通常鋼製の導体が使用されます。
長距離の電力伝送に適しており、地理的に広い範囲をカバーします。
これらの違いにより、電力用ケーブルと送電線は異なる用途で使用されます。電力用ケーブルは主に建物内部や地下での電力伝送に適しており、送電線は長距離の電力伝送に適しています。

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