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ギブスエネルギーの値から理論的に電池の起電力と標準電極電位を求める簡単な方法を紹介します。
ギブスエネルギーとは、いわば物質が持つ自由に取り出せる化学エネルギーのことで、ギブス自由エネルギーともいいます。

化学反応の前後でギブスエネルギーが減少していれば、その分が反応熱などになって外部へ放出されたことを意味しますが、電池の場合は電気エネルギーとして取り出されたと考えられます。
電気エネルギーは、流れ出た電子のモル数をn、ファラデー定数(電子1molあたりの電気量)を96500C、電子の電位をE(V)とすると、-[96500×n×E](J:ジュール)になります。

この式より、電池の起電力と電極物質の標準電極電位が求まります。
ただし、化学反応で変化する反応ギブスエネルギーの値は、化学便覧等の文献から得られる標準生成ギブスエネルギーから算出します。

 

起電力(電圧)と標準電極電位の導出

ダニエル電池の起電力を算出してみましょう。
ダニエル電池の電池反応式は、次のように表されます。

Zn + Cu2+ → Zn2+ + Cu

ここで、文献より標準生成ギブスエネルギーは、Cu2+が65.49kJ/mol、Zn2+は-147.1 kJ/molです。

標準生成ギブスエネルギーとは、標準状態(0℃、1気圧)において、単体から1molのイオン(や化合物)を生成するときに生じるギブスエネルギーをいい、単体のZnやCuは0です。
そして、反応式の右辺の標準生成ギブスエネルギーの合計から左辺の標準生成ギブスエネルギーの合計を引いたものが、反応ギブスエネルギー(=電池から取り出したエネルギー)になります。

したがって、ダニエル電池の反応ギブスエネルギーは、-147.1-65.49 = -212.59(kJ/mol)になり、これを電気エネルギーの式にします。

なお、電子は2mol生じるので、
-212590 = -96500 × 2 × Eより、E≒1.1(V)となり、これがダニエル電池の起電力になります。

また、ダニエル電池の負極と正極では、
<負極>Zn → Zn2 + 2e
<正極>Cu2+ + 2e- → Cuの反応が起こるので、

先ほどの、Zn2+は-147.1 kJ/mol、Cu2+が65.49kJ/molを電気エネルギーの式に代入して
Znの標準電極電位は-0.76V、Cuは0.34Vと求まります。

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