公立の数学の授業を見て感じた「悲惨さ」の正体

「1学級最大40人の児童・生徒の集団に対して、1人の先生が一斉授業を行う」というスタイルの問題点を指摘した記事ですが、これは特に新しい話ではなく、以前から指摘され続けています。

理解力の高い子供達のレベルに合わせると大半の子供達がついてこれなくなるため、学力が「中位の下」か「下位の上」くらいのところに焦点を当てて進めるしかないが、それは学力が高い子供達にとっては時間の無駄でしかないし、それでもついてこれない子供達は、たくさんいます。

特に、理数系の授業は積み重ねなので、低学年のうちに授業についていけなくなった子供達は、それ以降、「何を話しているのか分からない授業」が続くことになるため、彼らにとっても授業は時間の無駄でしかないのです。

小学校の時に、クラスに数学のテストが(100点満点で)5点ぐらいしかとれない子がいたことを覚えています。今考えると、最初の掛け算あたりでつまづいてしまったまま、授業についていけなくなってしまったのだろうと思いますが、一斉授業のシステムのままでは、彼のような子供達は、そのまま放置されてしまうのです。

そう考えると、今こそITの力を使って個別指導を行うべきだと思います。私が以前から提案しているのは反転授業、(flipped classroom )という指導方法にITを組み合わせたものです。

反転授業とは、家では前もって用意された講義のビデオを観て勉強し、教室では演習問題を解きながら先生から指導を受けるというものです。子供達の理解度に応じて見るべき講義を決められるので、「授業についていけなくなってしまう」ことがなくなるのです。さらに、講義のビデオは複数の学校で共通のものが使えるので、教師は「講義の準備」をする時間から解放され、逆に個別指導により多くの時間が避けるようになります。

今の時代、適切なソフトウェアを作れば、「演習問題を解きながら先生から指導を受ける」という部分もかなり自動化出来るので、ある程度学力のある子供たちの指導はソフトウェアに任せてしまい教師は学力の低い子供達により多くの時間が割けるようになります

講義のビデオに関しては、Khan Academy がとても良い参考になります。Khan Academy は Salman Khan という人がたった一人で Youtube 上で始めたビデオ教材ですが、反転授業に十分使えるクオリティです。

Khan Academy についてもっと知りたい方は、「Let’s use video to reinvent education」という TED スピーチを観ることをお勧めします。

 

引用:週刊 Life is Beautiful 2020年7月14日号