ひもの張力をFとするとおもりの運動方程式は
\[ m\frac{d^2x}{dt^2} = mg - F \]
定滑車の回転に関する運動方程式は回転角をθ慣性モーメントをIとすると
\[ I\frac{d^2θ}{dt^2} = (F - kx)a = Fa - kax \]
\[ F = \frac{I}{a}\frac{d^2θ}{dt^2} + kx \]
\[ m\frac{d^2x}{dt^2} = mg - \frac{I}{a}\frac{d^2θ}{dt^2} - kx \]
\( x = aθ \) より
\[ m\frac{d^2x}{dt^2} = mg - \frac{I}{a^2}\frac{d^2x}{dt^2} - kx \] \[ (m + \frac{I}{a^2})\frac{d^2x}{dt^2} + kx = mg \]\( I = \frac{1}{2}Ma^2 \)より
\[ (m + \frac{1}{2}M)\frac{d^2x}{dt^2} + kx = mg \] \[ ω_n = \sqrt{\frac{k}{m + \frac{1}{2}M}} = \sqrt{\frac{2k}{2m + M}} \] \[ ω_n = 2πf = \frac{2π}{T} \] \[ T = 2π\sqrt{\frac{M +2m}{2k}} \] [解答]② 参考 回転軸まわりの慣性モーメントと固有角振動数(H26) 回転体の慣性モーメント(H25)運動エネルギーはなんの運動エネルギーですか
ここで扱っている 運動エネルギー (T) は、この系を構成する- おもり(質量 (m))の並進運動エネルギー
- 円板(質量 (M),半径 (a))の回転運動エネルギー
✅ 1. おもり (m) の運動エネルギー(並進)
おもりは上下に並進運動します。 速度を (\dot x)(ひもが動く速度)とすると、 [ T_m=\frac12 m\dot x^2 ]✅ 2. 円板(質量 (M))の運動エネルギー(回転)
円板は固定軸まわりに回転し、その角速度は [ \dot\theta = \frac{\dot x}{a} ] (ひもはすべらないので、周速 (a\dot\theta) がひもの速度 (\dot x) に一致) 円板の慣性モーメント(中心まわりの回転) [ I=\frac12 Ma^2 ] したがって回転運動エネルギーは [ T_{\text{rot}}=\frac12 I\dot\theta^2 =\frac12 \frac{I}{a^2}\dot x^2 ] [ \frac{I}{a^2} =\frac{\frac12 Ma^2}{a^2} = \frac{M}{2} ]✅ 3. 合計すると?
[ T = \frac12 m\dot x^2+\frac12\frac{I}{a^2}\dot x^2 ] [ T=\frac12\left(m+\frac{M}{2}\right)\dot x^2 ] これが前に出てきた 見かけの質量 (m + M/2) です。✅ まとめ
| 部分 | 内容 | 運動エネルギー |
|---|---|---|
| おもり (m) | 並進 | (\frac12 m\dot x^2) |
| 円板 (M) | 回転 | (\frac12 I\dot\theta^2 = \frac12\frac{M}{2}\dot x^2) |
| 合計 | 系の運動エネルギー | (\frac12\left(m+\frac{M}{2}\right)\dot x^2) |
✅ なぜ円板の回転だけでよいのか?
- 円板は固定軸で並進しない
- ひもは滑らないため、円板はひもの動きに合わせて回転のみ
必要であれば、この系をラグランジュ方程式から完全に導く流れも説明できます。
円板(半径 a、質量 M の一様円板)の慣性モーメント = 1/ 2 2について教えてください
もちろんです。 あなたが知りたいのは、半径 (a)、質量 (M) の一様円板の慣性モーメント [ I=\frac12 Ma^2 ] はどうやって求められるのか? なぜ (\frac12) がつくのか?という点ですね。
✅ 一様円板の慣性モーメントの公式
円板をその中心を通る垂直軸まわりに回転させるとき、 その慣性モーメントは [ \boxed{I=\frac12Ma^2} ] これは「一様に質量が分布した円板」の公式です。✅ 証明(積分で求める)
円板を細い輪(リング)に分割して積分します。● 1. 半径 (r) のリング要素を考える
リングの半径:(r) 厚さ:(dr) 長さ:周長 (2\pi r) 面密度:(\sigma = \dfrac{M}{\pi a^2}) リングの質量は [ dm = \sigma (2\pi r dr) ]● 2. リングの慣性モーメント
リングは半径 (r) の質量がすべて円周にあるので 慣性モーメントは [ dI = r^2 dm = r^2\sigma 2\pi r dr ]● 3. 円板全体にわたって積分
[ I = \int_0^a 2\pi\sigma r^3 dr ] [ I = 2\pi\sigma \left[\frac{r^4}{4}\right]_0^a = 2\pi\sigma \frac{a^4}{4} = \frac{1}{2}\pi\sigma a^4 ] 面密度 (\sigma = \frac{M}{\pi a^2}) を代入すると [ I = \frac12 M a^2 ]✅ 結果
[ \boxed{I=\frac12Ma^2} ]✅ 直感的な理解
- 棒(質量 M、長さ L)の中央軸まわりは (I=\frac{1}{12}ML^2) と小さい → 質量が中心付近に多くある
- 一方、円板の質量は外側にも大量にある → 棒よりは大きい慣性モーメント
- しかし、全部が外周にあるリング((I=Ma^2))ほどは大きくない
✅ より直感的な図(イメージ)
リング:全部が半径 a に → I = M a^2(最大)
円板:中心にも質量あり → I = (1/2) M a^2(半分)
棒:中心に近く多い → I = (1/12) M L^2(さらに小)
✅ まとめ
半径 a、質量 M の一様円板の慣性モーメント: [ I = \frac12 M a^2 ] 積分により導かれ、物理的にも- リング(全部外側)→ (I = Ma^2)
- 一様円板 → (I = \frac12Ma^2)
必要なら、
- 中心以外の軸の慣性モーメント
- パラレルアクシス定理(平行軸の定理)
- 一様球・円筒の慣性モーメント




