実験に関しての考察
これは、睡眠研究の泰斗として有名なケネス・リックスタイン博士によるレビュー論文。
世界中のスリープラボで行われた20件の実験データをチェックして、「本当に不眠の悪影響をもたらすものはなんなのか?」って問題について調べたんですね。
それぞれの実験は、おもに睡眠の質と主観的な睡眠の満足度について調べてまして、
「眠りにつくまで何分かかりますか?」みたいな質問を使ったり、睡眠ポリグラフ検査で脳波などを客観的に調べたり、いろんな報告から不眠について探っております。
それで、まずどんなことがわかったかというと、
睡眠の質が低いだけでは不眠にはならない!
ってことです。
たとえば1995年に400人を調べた実験では、「睡眠の質が低い」と判断された人でも、不眠になる人とならない人がハッキリわかれたんだそうな。
ここでいう「睡眠の質が低い人」の定義ってのは、「最低でも週3回以上のペースで、入眠までの時間が30分以上かかる」ぐらいの感じ。
いかに寝付きが悪かろうが、毎晩の睡眠時間が足りなかろうが、決して不眠になるわけじゃないんだ、と。
1日に2〜3時間しか寝ていないのに、
かなり元気に動き回る事ができる人がいるのは事実です。
その辺のブラック企業よりもよっぽど過酷な労働をしているのに、
全く疲れた顔1つ見せないのは、
睡眠の取り方にコツがあるわけです。
まず、多くの人がぐっすり眠れない、あるいは寝ても疲れる理由は、
「自分は沢山寝ないとシンドいという暗示が入っているから」
なのです。
例えば、自分は最低6時間寝ないとダメ、と思い込んでいる人は、
5時間しか寝てないと、
「1時間足りないから、今日は疲れるに違いない」
と勝手に思い込みます。
また、夜寝るのが遅いと、
「今日はこれだけしか寝れないから、
明日はきっと疲れるだろうな」
と思いながら寝るわけです。
すると、副交感神経が働かず、交感神経優位になり、
ぐっすりと眠れなくなるのです。
今日はこんな良い1日だったなぁ、とか、
明日はこうなるといいなぁ、という事を考えて、
(興奮すると交感神経優位になるのでNGです)
ゆったりと眠りに付く事で、深い睡眠が取れるのです。
睡眠の時間を、
どんな気持ちで過ごすかが変わって来るのです。




