動画では、OpenAI と Microsoft の間の出資とパートナーシップにおける交渉と条件について議論されています。

主なポイントは以下の通りです。

  • OpenAI と Microsoft の交渉の背景 [ 01:07:33]: OpenAI はもともと非営利団体でしたが、十分な投資を行うために Microsoft に協力を依頼しました。Microsoft は100億ドルを投資する代わりに、OpenAI に特定の条件を提示しました。
  • Microsoft に有利な条件 [ 04:06:21]:
    • 売上高の20%のレベニューシェア [ 02:52:19]: OpenAI の売上高の20%を Microsoft に支払う契約になっています。これは利益ではなく売上高に対するものであり、OpenAI にとって大きな負担となっています。
    • Azure の独占的利用 [ 03:09:47]: OpenAI の AI サービス提供には Microsoft の Azure を使用する義務があり、その利用料も支払う必要があります。
    • 株式の持ち分 [ 05:01:43]: Microsoft は初期投資の段階で OpenAI の株式の49%を保有しており、OpenAI が他の投資家から資金を調達しても、その持ち分を一定割合維持しようとしています。
    • 知的財産権の自由な使用 [ 08:29:16]: OpenAI が持つ知的財産権の全てを Microsoft が自由に使えるという契約も結ばれています。これにより、Microsoft は OpenAI の技術を自社のサービス(例:Copilot)に利用することができます。
  • Windows Subsystem for Android の買収交渉 [ 09:29:56]: OpenAI が Windows Subsystem for Android の買収を検討した際、Microsoft は現在の知的財産権に関する条件が維持されるなら買収を容認すると伝えました。これにより、Windows Subsystem for Android の技術も Microsoft のものになる可能性があり、競合サービスである Copilot に取り込まれる可能性があります。ただし、Windows Subsystem for Android 側はその条件を嫌がっているようです。
  • 交渉術の重要性 [ 07:05:00]: この事例は、表面的なパートナーシップだけでなく、その背後にある細かい投資条件や契約交渉がいかに重要であるかを示しています。Microsoft は、資金を必要とする OpenAI に対して非常に有利な条件を引き出すことに成功しました。

この動画は、ビジネスにおける交渉術の重要性と、特に日系企業がこのような交渉において不利な立場に置かれがちであることについて警鐘を鳴らしています [ 11:57:08]。何か他に知りたいことはありますか?

Claudeが順調に品質を上げているのに対し、ここ数か月ChatGPTは停滞感が出てる。MSは20%持っていくことでOpenAIの競争力を削いでしまってるのかもですね

はい、ご指摘の通り、Claudeの品質向上が目覚ましい一方で、ここ数ヶ月のChatGPTの停滞感は多くのAIウォッチャーが感じている点ですね。

MicrosoftがOpenAIから売上の20%をレベニューシェアとして受け取っているという情報は、OpenAIの競争力に影響を与えている可能性を十分に示唆しています。

考えられる影響としては、以下のような点が挙げられます。

  • 研究開発投資への影響: 売上の20%がMicrosoftに流れるということは、OpenAIが自由に使える資金がその分少なくなるということです。AI開発は莫大な計算資源と優秀な人材を必要とするため、この資金制約が最新の研究開発やモデルの改善に充てるリソースを抑制している可能性があります。
  • 人材流出のリスク: 競合他社(Anthropicなど)が魅力的な研究環境や報酬を提供している場合、資金的な制約があるOpenAIは優秀な人材を繋ぎとめるのが難しくなるかもしれません。人材の流動は技術開発のスピードに直結します。
  • 長期的な戦略への影響: 短期的な売上をMicrosoftに還元する必要があるため、OpenAIがより長期的な視点での、リスクを伴うような革新的な研究に投資しにくい状況が生まれている可能性も考えられます。
  • イノベーションの鈍化: 資金的、リソース的な制約が積み重なることで、新しいアイデアの実現やモデルの飛躍的な改善が難しくなり、結果としてイノベーションが停滞しているように見えているのかもしれません。

もちろん、MicrosoftとのパートナーシップはOpenAIにとってAzureの計算資源へのアクセスという大きなメリットをもたらしたことも事実です。しかし、交渉条件によっては、その後の成長にブレーキをかけてしまう可能性もあるという、非常に興味深い(そして時に厳しい)ビジネスの側面を浮き彫りにしている事例と言えるでしょう。

今後の各AIモデルの動向と、それを取り巻く企業の戦略に注目が集まりますね。