価値主義とはまとめると2つの大きな変化が混ざった1つの現象と考えることができます。

1つ目は、お金や経済の民主化です。
これまで300年近く国家の専売特許とされてきた通貨の発行や経済圏の形成が、新たなテクノロジーの誕生によってだれでも簡単に低コストで実現できるようになりつつあります。

通貨を発行するのに金銀銅で効果を鋳造する必要も、偽造対策を施した紙幣を製造する必要もありません。
ブロックチェーン上でルールを記述し、トランザクションを見ながら改善を繰り返していけばいいのです。

ユーザーはスマホさえあれば誰でもその経済圏に参加することができます。
通貨や経済はただそこに昔からあるものではなく、自分で考えて選ぶもの、場合によっては自分で作るものへと変わっていっています。

 

2つめは、資本にならない価値で回る経済の実現です。
私たちが価値という言葉を使う時に、それは、①現実世界で約に立つかという有用性としての価値、②個人の感情と結びついた内面的な価値、③共同体の持続性を高める社会的な価値の3つに区別されると書きました。

そしてこれまでの資本主義は現実世界で役に立つかという観点の①の有用性のみを扱ってきました。
そうなると、②内面的な価値などは有用性の観点からは全くの無価値になります。
③共同体全体に貢献するような社会的な価値は、個人の利益の最大化が全体の利益に繋がると考える資本主義からすれば、ただの「お人好し」か「コスト」に過ぎません。

ただ、実際に②と③は間接的に経済に大きな影響を及ぼしていて、人々の感情や社会性を無視して自己の利益のみを追求した存在が長く続かないのは歴史が証明しています。

価値主義では新たなテクノロジーの誕生によって、内面的な価値や社会的な価値をも可視化して、それらも経済として成り立たせることで、資本主義の欠点を補完することができるようになっています。

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