脳内の報酬系の仕組みをフル活用した装置が、私たちがよく子供の頃に(場合によっては今も)遊んだ「ゲーム」です。
優れたゲームほど、適度に私たちの報酬系を活性化させ、人々を熱中させるように作られています。
例えば、ゲームのある面を自分の工夫と努力によってクリアし、あなたはボーナスを獲得したとします。
その時にあなたは「達成感」と「満足感」を味わい、脳内の報酬系が刺激されて快楽物質が分泌されます。
さらに難しい面に挑み、クリアし、さらなる達成感を得ます。
より多くの達成感が欲しくなり、やり続けるうちにあなたはこのゲームにどんどん「ハマって」いきます。
オンラインゲームの場合は、さらにこれにユーザー同士のコミュニケーションや競争という要素が加わるので、さらに熱中度は高まります。
ゲームをクリアしたという達成感だけでなく、仲間とのコミュニケーションで得られる楽しみや、競争での勝利によって満たされる承認欲求など、報酬回路を刺激する要素が盛りだくさんです。
ゲームの存在は、目に見える「リターン」がなかったとしても、仕組みによって人間の脳の報酬系は刺激されて快楽物質を分泌し、特定の行為に熱中するようになる証明とも言えます。
ゲームを作っている人がこうした脳の仕組みまで理解して設計しているわけではもちろんないと思いますが、結果的にヒットするゲームには、報酬系を刺激する要素が必ず含まれています。
つまり、金銭的な対価を一切求めずに、経済システムを作ろうとするゲームに近づいていくことになります。
昨今の優れたサービスや組織が、ゲームの手法を真似た「ゲーミフィケーション」を取り入れているのを見てもわかる通り、ゲームというものが私たちの脳を直接的に刺激する仕組みを凝縮したものであることは間違いありません。
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