物価が上がることを意味する「インフレ」という言葉をニュースで聞いたり新聞などのメディアで目にしたりする機会は多くあります。「インフレーション」と聞くと「モノの値段が上がる」ということでネガティブにとらえる人は多いかもしれませんが、悪い面だけではありません。

日本でインフレが起こると、「円というお金の価値が下がる」ことから、円安になる可能性があります。円安になると、輸出業が好調になったり、外国からの観光客が増えたりという点はメリットです。一方、輸入品が高くなったり、海外旅行の費用が高くなったり、現地での買い物が高くついたりすることがデメリットとして挙げられます。

物価が上がり続けるインフレの局面では一般的に金利を引き上げ、逆にデフレのときには需要を高めるために金利を引き下げる金融政策がとられます。金利が上がると、借り入れをするときの金利は上がりますが、預け入れをするときの金利も上がります。

日本の子どもたちにも襲いかかったインフレ…「うまい棒」が初の値上げ=韓国報道

必要なトウモロコシと油の価格、製菓用包装材、商品の運送費が値上がりし、現在の販売価格を維持することが不可能になった。これまでは分量を減らしてステルス値上げとかをしていたけど、もう難しくなってきた。日本では久々のインフレ局面になって来たと言えるだろう。

 

現在のインフレを、単なる「コストプッシュ型」と思考停止していては対策を誤る

今回の物価上昇も、1次産品の値上がりに加え、コロナ後の景気回復期待、新興国の経済成長による需要増、米中分断による調達コストの上昇、量的緩和策など、多くの要因が関係している。

 

世界的インフレ日本と欧米の違い

インフレで賃金が上がる欧米に対し、日本は上昇していない。

 

「牛丼値上げ」のウラで、日本人が「どんどん貧しくなっている」現実

実質賃金の下落と消費の低迷が長続きする気配を見せているなかで、多くの消費者が買い物に慎重になり、厳しい目で商品を選別するようになっていきます。人々が成長を伴わない悪性のインフレを意識している影響は、日本経済に大きな影を落としているといえそうです。

 

インフレからも経済回復からも「外れて」いる日本は、独自の道を歩む?

日本経済が置かれた状況はさらに厳しい。各国はコロナ後の景気回復期待とインフレリスクの両にらみだが、日本だけが世界経済の回復基調から取り残されている。

インフレが構造要因によって進むのであれば、それを解決するのがテクノロジーであることはほぼ間違いない。脱炭素シフトのカギを握るのは蓄電・配電のソフトウエア技術であり、食料増産には培養肉などのバイオ技術が、資源を最適配分するにはシェアリング・エコノミーの進展が必須である。

こうした新技術への投資を通じて成長を促すのが日本経済再生の早道である。

 

 

経済を成長させるには研究開発、設備投資、教育、技術革新、輸出促進、政治の安定などが不可欠だが上手く行っていないように見える。
結果として今回のインフレでも負け組になるのかもしれないと考える。

 

 

日本の一番の悩みは少子高齢化で、若者の首都圏への一局集中と重なった結果、地方で本格的な高齢化と過疎化が進んでおり、結果として、インフラの維持が不可能になりつつあるという話は、このメルマガでも何度も指摘して来ました。

そんな中で、(そんな地方で営まれている)農林水産業などの第一次産業は、労働者不足を補うために、技能実習生という名を借りた海外からの労働者に頼って、かろうじて生産力を保って来ました。

このTweetは、急激に円安に傾きつつある為替相場が、日本の労働市場を海外の人から見て「魅力のない労働市場」にしてしまうため、これが深刻な労働力不足を招き、第一次産業の生産能力が大きく落ちてしまう可能性があると指摘しているのです。

地球温暖化、紛争、水不足などの影響で、世界の食料品価格は既に上昇しつつあり、円安と合わせてのダブルパンチで食料品の輸入価格が高くなると、ただでさえ食料の自給率の低い日本は窮地に立たされる可能性があるのは確かです。

引用:週刊 Life is Beautiful 2022年5月10日号