(1)正しい
演算増幅器は電圧を増幅させる素子で,電源がないと働きません。
(2)正しい
演算増幅器の入力インピーダンスは非常に大きく,理想的には無限大です。
(3)正しい
演算増幅器は入力端子の+と−の大きさの違いに応じて出力が切換わる比較器の役割があります。
(4)正しい
図1に入力電圧 Vi が入ってきたとき,−端子も Vi となり, RS を流れる電流 I が,
I=Vi/RS
となります。演算増幅器には電流は流れないので, RS を流れる電流と RF を流れる電流は等しく,出力電圧 Vo は,
Vo=(RF/RS)Vi
となります。したがって,図1は正相増幅回路となります。
同様に図2に入力電圧 Vi が入ってきたとき,出力電圧 Vo は,
Vo=−(RF/RS)Vi
となり,図2は逆相増幅回路となります。
(5)誤り
ボルテージホロワ回路は入力電圧と出力電圧が等しくなる回路のことで,図1の回路でボルテージホロワ回路を実現するためには,抵抗 RS を ∞ Ωに(開放)し,抵抗 RF を 0 Ωに(短絡)すると,入力電圧と出力電圧が等しくなります。
[解答⑤]
<参考>
1.理想的な演算増幅器の特徴
1.電圧増幅率が無限大である。したがって,無限大でない有限数が出力される時,入力端子間の電圧は 0 V (バーチャルショート)となる。
2.入力インピーダンスが無限大である。したがって入力端子に電流は流れない。
3.出力インピーダンスがゼロである。
2.ボルテージホロワ回路
入力端子の+と出力端子を接続したものをボルテージホロワ回路と言います。
これにより,仮に入力電圧 Vi が入ってきたとき,仮想短絡により入力の+端子も Vi となり,入力と出力の大きさが等しくなります。
したがって,ボルテージホロワ回路は電圧増幅率が 1 の回路と言えます。
一見無駄な回路に見えますが,入力と出力を縁切りできることで,外乱による影響等を抑制することが可能となります。