Googleが一般道路で自動運転の公道実験を始め、自動運転の可能性を示し始めていた。
Googleが使ったセンサは電波レーダではなく、スキャニングLiDARだった。
Googleのシステムは、2007年のアメリカ国防高等研究計画局(DARPA)が行ったアーバン・チャレンジで準優勝したスタンフォード大学のチーム方式を適用したものである。
Googleのシステムを使うと、電波レーダでできなかった一般道路の自動運転が一気に可能になった。
以降、この方式が現在までのデファクト方式となっている。
2009年、Googleは自動運転の一般道での公道実験を開始した。
スタンフォード大学のアーバン・チャレンジチームが引き抜かれ、方式も何も加野そのまま継続したのである。
この方式は、Velodyne社製のHDL64EなるスキャニングLiDARを車両天井に搭載し、事前走行して得た環境のポイントクラウドデータに対して、NDTでスキャンマッチングしてSLAMを行うことが基本方式である。
アーバン・チャレンジと違っていたのは、使用した車両くらいのものである。
HDL64Eは2007年のアーバン・チャレンジのために開発されたLiDARである。
当時、環境が複雑で地図のない一般道を、車両を自動で走行させるためには精度の良いポイントクラウドデータが必要なことが分かっていた。
そのため、車両天井から縦方向に送射する64本のレーザビームを受光素子ごと360°回転させ、自車周囲360°の環境の3D情報であるポイントクラウドデータを得るのがHDL64Eの使命だった。
このLiDARがスキャンするレートは5~15Hzで、検知最大距離は100mである。
つまり、1秒間に最大15回、自車周辺360°の100m以内のポイントクラウドデータが得られるのである。
Googleシステムは、車両天井中央に配置されるLiDARがメインセンサーである。
この方式で自動運転がやりやすいのはわかったものの、普段使用する量産車の天井中央に飛び出したLiDARが市民権を得られるかどうかは意見の分かれるところだろう。
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