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実はすごいサラリーマンのOJT

本書を手に取るようなサラリーマンの読者の多くは、経営が安定した会社でのビジネス経験しかないはずです。
といっても、それは悪いことではありません。会社を買うことを考えたとき、むしろそのことが「メリット」になります。

経営の安定した大企業で、「30年選手」であれば、その業種で30年もの経験の蓄積があり、成功例も失敗例も数多く見て、目利きができるはずです。
また、キャリアのうち10年、15年という期間を管理職としてマネジメントに従事してきたとしたら、ゼロイチ起業の初心者かもしれませんが、組織マネジメントは大ベテランです。

私が大企業や業界大手のサラリーマン中間管理職の方に中小企業の買収をおすすめするのは、まさにこの点です。
実務経験に加えて、所属企業で受けてきた「教育」のアドバンテージが、企業経営を担う際に非常に大きいのです。

といっても、新卒で同じ企業に長年勤務してきた方は、特別な教育を受けてきたという実感のない人も多いはず。しかし、実は、あなたが経験してきた大手企業の日々の業務こそに価値があります。
その中であなたは、非常に高度なマネジメント教育をうけてきているといえるからです。

「確かに、数年に1回とか、役職が上がるごとに、マネジメントに関する集合研修を受けたな。でも、内容はほとんど覚えていないし、スキルが上がったとも思えない。ぶっちゃけ、「必要ない」と思っていたぐらいなんだけど・・・」
まあ、まあ、そう言わずに聞いてください。

たしかに、集合研修が日々の仕事において具体的に役に立ったという実感はさほどないかもしれません。
あなたがこれまで受けてきた重要な教育とは”それ”ではありません。

優良企業の社員が受ける「高度な教育」、それは、OJTです。
「指導社員について仕事のイロハを教えてもらった」
「先輩から引き継いだ仕事を覚えた」
「業務改善の中、目の前の仕事をしっかりこなしてきた」、
そういった経験を通じて、かなりの質の高いOJTを受けてきているといえるのです。

大企業は面白くない、の勘違い

ベンチャー企業を志向する人の中には、大企業の仕事を「面白みがない」「成長しない」「やりがいがない」などと批判する人が結構多いのですが、少々短絡的で、視野が狭い気がします。
大企業や業界大手が中小企業と何が違うかというと、業務の進め方やシステムなどの仕組みが非常に洗練されているという点です。

あなたが現在勤務している会社の主要ビジネスは、業界何位でしょうか。
産業にもよると思いますが、何十年も存続し、業界で名の知られた一定規模以上の企業であれば、いくつかの事業は業界で5位以内にはいっているのではないでしょうか。
業界5位でも、長年の厳しい競争に勝ち残った、まぎれもない勝者の一角です。当然そこには、歴史を刻むだけのノウハウが蓄積されています。

当たりまえですが、ビジネスモデルだけでは、企業は競争に勝てません。
事業は総力戦です。企画開発力、設計力、生産管理力、資本力、資金調達力、マーケティング力、人材採用力、組織力、ブランディング力、販売力などなど、経営のあらゆる要素を駆使し、マネジメントできていなければ生き残れません。
そうして勝ち残った企業は、勝利のビジネスモデルを持っていると同時に、非常にレベルが高く、最新のビジネスシーンに最適化され、洗練された”勝利のマネジメントモデル”を持っています。

 

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