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今はAIの性能・精度が非常に高くなっており、AIを活用することなしには、もはや企業、特に小売り企業は生きていけない。
専門知識がない人でもデータが与えられ機械学習を活用することで、高い精度の予測をすることができるようになってきている。

 

さらに注目しているのがロングテールの発展という現象である。
統計は基本的に正規分布をベースにして考えたり、パレートの法則では2割の商品が8割の売上を構成するといった考え方をする。
しかし、インターネットにおける小売りの世界ではこれらの捉え方ではうまく当てはまらず、テール部分が全体を構成する。いわゆる、べき乗分布をしている。

例えば、横軸に商品の売り上げ順位、縦軸に販売量をとると、インターネットの小売販売は右にロングテールで伸びた図となる。
非常に重要なのがテール部分であり、年間を通して僅かしか売れていないが、これらの商品を集約すると売上全体の9割を占める。

このロングテール現象を実証研究したところ、商品販売だけでなく、対象分野や対象期間・時間を問わず、
ユーザーにまつわる行動情報の分布は全てロングテールで表現されうることが明らかになった。

テール部分が全体を占める場合、ビッグデータの処理はAIを使うことでしか解決できない。

さらに現在は、どの場所にいても常に世界とつながり、世界の知識とつながる事が可能であるため、人の行動はロングテール部分に加速度的に進展している。
例えば、営業担当が売上に疑問を持っていた地方の特産物がネット上で爆発的に売れたという事例がある。

他にも、高額の甲冑が、6カ月先まで予約で埋まるという事例もある。
従来のように、営業担当者が個別に判断していた時には商品として企画されることがなかったようなものが、
現実には消費者が購入したくても買えなかっただけであったことがわかった。

ロングテールの発展により、従来のマーケティングの概念が大きく変わったのである。
今までは、小売り企業が物理的制約のある来店客をセグメンテーションやクラスタリング等で分類していたが、それは単に店舗に押し込められた顧客を分析しているに過ぎない。

物理的制約が解き放たれ、顧客が一人ひとりの判断に従い商品を購入している現在では、こうした顧客を分類するマーケティング手法は無力化しているのである。

商品の価格帯にも、変化が表れてきている。クラウドファンディングが出てきた中で、新しいプレイヤーが物を作り始め、高級品と安い品の価格帯が分野によって出来つつある。
ユーザーは「安ければ買う」というわけではなく、可処分所得と支払ったお金が満足度と関係しており、その中でちょうどいい価格帯が開拓されている。
また、価格感反応は個々人によって異なる。
例えば、商品によってクーポンを出し分けたとき、そのディスカウントの多寡によって買う人もいれば、ディスカウント額が高過ぎるとかえって買う行為をやめる人もいる。
つまり、価格は個別化できるとも考えられる。

 

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