情報や画像の引用元:オークマホームページ
LB3000とは
単体機の高機能化から「工場全体の最適化」へLB3000 EX Ⅲが提示した“ものづくりの未来”
NC旋盤の名機LB-EXシリーズは、コンパクトながら重切削もこなす加工能力、抜群の寸法安定性、使いやすさが愛され、世界での累積販売台数は1万8,000台を超え、オークマを代表する機種の一つとなっている。
開発プロジェクトは、ユーザー訪問やマーケティング会議などで国内外の声を収集・分析し、工場が抱える現在と将来の課題を整理し、CNC旋盤のあるべき姿を探った。
そして導き出したのが、「労働力や熟練技能者が減少する中で、厳しい精度要求や高い生産性を追求するにはさらなる工程集約、多様な自動化対応に加え、工場の稼働率を最大化するCNCが不可欠であり、さらには脱炭素社会にふさわしい機械が自律的に省エネできる環境性能を備え、これらをコンパクトに集約すること」だった。
労働人口が減っていく時代に手離れの良い機械、一度ボタンを押せば加工完了まで何もしなくてもよい機械が求められている。そのうえで多彩な機能が加わり、ミ―リングやギヤ加工・研削加工など単体でも複雑な加工もこなせれば、多品種・小ロット生産にも適用できる。それを具現化したのが今回の新型機だ。
基本情報
項目 | 単位 | LB3000 EX Ⅲ |
---|---|---|
標準チャックサイズ | inch | 8 |
最大加工径 | ømm | 410 |
最大加工長 | mm | 500、1,000 |
主軸回転速度 | min-1 | 5,000 |
刃物台形式 | V12 | |
主電動機 | kW | 22/15(30分/連続) |
機械の大きさ(W×D×H) | mm | 2,340×1,829×1,770 3,420×2,013×1,770 |
仕様展開 | M, W, MY, MW, MYW |
※M:ミーリング仕様、W:サブ主軸仕様、Y:Y軸仕様
多彩な機能が加わり、ミ―リングやギヤ加工・研削加工など単体でも複雑な加工もこなせれば、多品種・小ロット生産にも適用できる。それを具現化したのが今回の新型機だ。
Y:Y軸仕様
また複合旋盤の中には、X、Z軸の2軸の制御の他にY軸の制御が可能な機種もあります。
複合旋盤でのY軸とは、X軸に対して垂直に直角な軸がY軸です。
Y軸があると、円筒状の中心からずれた位置への加工が可能です。
どんな加工ができるか
複合加工機とは
複合加工機は、その名の通り複数の加工機能を有した機械のことを指します。
複合加工機が有している具体的な機能は、フライス加工、旋盤加工、研削加工などです。
複合旋盤とは
複合旋盤とは、NC旋盤に工具が回転する機能(回転工具)を搭載した旋盤のことをいいます。
NC旋盤の機能は備わっており、その他に回転工具によるミーリング加工や回転軸C軸(加工物の回転角)の制御が可能です。複雑な形状の製品を設備1台で加工することが出来ます。
複合旋盤を使用せず複雑な形状の製品を加工すると、NC旋盤加工後にマシニングセンタ等で加工をする必要があり、複数台の設備を使用し、工程を分けて製作していかなければなりません。
しかし、複合旋盤ではNC旋盤の旋削加工と回転工具によるミーリング加工両方の加工が1台の設備で出来るので、工程を集約した加工が可能です。
そのように複合旋盤で加工を集約することは、品質面にも効果があります。
加工を分離するとそれぞれの加工工程で製品を掴み替える必要があり、回数が多くなればなるほど品質のバラツキが大きくなります。
工程集約することは掴み替えを少なくすることになり、バラツキを抑え品質の安定に繋がります。
メリット
1.加工時間の短縮
複合加工機を使用せずに、複数の加工機械を用いて製品を製作する場合は、多くの工程が必要とされます。
例えば、3つの加工機械を用いて製品を製作するとします。
この場合、工作物を加工機械に取り付ける作業(チャッキング、またはクランプ)と加工機械から外す作業を最低でも3回以上行なう必要があります。
しかし、複合加工機を使用すれば、この取り外し作業を1回に短縮できます。(ワンチャッキング)
https://www.jstage.jst.go.jp/article/pscjspe/2005A/0/2005A_0_725/_pdf
工作機械の最新動向
複合化NC旋盤にミリング機能を付加することによって,丸物ワークの複合加工が可能となる.多くの丸物ワークは旋削工程だけでは加工が完結せず,ドリル加工,タップ加工あるいはキー溝加工などMCによる2次加工が必要とされている.したがって複数の加工設備を経由する結果,頻繁な段取作業と長い仕掛期間を要すことになる.そこで複合CNC旋盤によって丸物ワークをワンチャキングで加工できるようにすることで段取回数の削減と仕掛期間の短縮が可能になり,さらにワーク着脱回数の低減によって高精度化も図ることができるようになった.従来のNC旋盤は主軸とX, Z軸を有しているが,これにミリング軸とC軸の塔載を経て,図6に示すようにY軸やB軸および第2主軸を装着したINTEGREXシリーズが登場し1),さらに最近では箱物の加工にも対応できるようにY軸ストロークを大きくしたeシリーズや第2刃物台を付加した“INTEGREX 200 III-SY(図7)”へと進化し
ている2).このような複合CNC旋盤を使用することで,以下に示すようなさまざまな工程集約効果が期待できる. (1) 段取り替え時間および工程間の待ち時間がなくなり,仕掛り在庫の削減ができる. (2) 多種類の機械を使用する必要がなくなり,設備費およびフロアスペースが縮小できる. (3) 加工ワークの工程間の移動が不要となり,省人化・自動化の促進が図れる. (4) 加工治具の製作時間,作成費および維持費が削減できる. (5) 加工ワークの取付け取り外しによる誤差の累積がなくなり,加工精度が向上する. (6) 多品種な加工に対応でき,生産変化に対する設備変更が容易または不要となる.その結果として,設備立上げ,製造工程,開発のすべてのリードタイム短縮が可能となり,製品納期の明確化・短期化と製造コスト低減が実現できる.
多品種少量生産への対応
多品種少量生産の概念、その背景、メリット、課題、および効率化の方法について説明しています。多品種少量生産は、様々な消費者ニーズに対応し、在庫リスクを軽減するが、コスト増加や生産効率の低下などの課題も伴います。効率化のための提案には、受注分析、生産方法の最適化、汎用性の高い部品の在庫確保、段取り替えの最小化、生産管理システムの導入、部品表ルールの見直しが含まれています。完全な記事はこちらでご覧いただけます。
【内容の抜粋】
少品種大量生産は、事前におおよその需要予測を行い、予測に基づいた生産スケジュールを立ててから製造に取りかかるケースが多い生産方式です。
一方の多品種少量生産は、製造方法や生産プロセス、納期などが一律ではないため、事前に画一的な需要予測を行うことは難しい傾向にあります。少品種大量生産に比べると、製造ラインの管理も複雑になりやすい点が特徴です。
工程が複雑になりやすく生産性を向上しにくい点がデメリットです。試作段階のため小ロットで必要な製品や、多品種少量生産で個別受注生産が行われることがあります。
工場の生産ラインの組み替え作業が発生し、頻繁に生産ラインを停止させなければならないリスクもあります。
新しい生産ラインを軌道に乗せるまでのプロセスをスムーズに行えなければ、生産効率が高まらないまま次々と生産ラインを更新し続ける負のループに陥り、納期遅延やリードタイムの増大を招く可能性もあるでしょう。
多品種少量生産は製造にかかる期間が長期化しやすい傾向にあります。製造する製品の性質に合わせて生産プロセスを細かく調整したり、生産ラインを組み替えたりする必要が生じて、製造に入るまでの準備にも時間がかかるためです。
「製造にかかる時間をどのように短縮するか」
インダストリー4.0
この文書は、大量カスタマイズの進化とその業界4.0との整合について議論し、従来の大量生産からより柔軟で顧客指向の製造へのシフトに焦点を当てています。大量カスタマイズを実装するための課題と必要な技術、特に柔軟な生産システム、デジタル変革、AIとIoTの使用について強調しています。報告書はまた、効率を維持しながら多様な顧客ニーズに応えるために、新しい製造装置と技術の統合と企業間の協力の重要性を強調しています。
参考