https://youtu.be/J8pJJFe8opM

公開鍵暗号方式という方法を詳しくまとめて、わかりやすく説明してください

はい、公開鍵暗号方式について、できるだけわかりやすく体系的にまとめますね。

公開鍵暗号方式とは

公開鍵暗号方式(Public Key Cryptography)は、**「鍵をペアで使う暗号方式」**です。
  • 公開鍵(Public Key):誰でも知ってよい鍵
  • 秘密鍵(Private Key):自分だけが持つべき鍵
この2つは数学的に強く結びついており、一方で暗号化したものはもう一方でしか解読できません。

基本の仕組み

1. 暗号化と復号

  • 送信者:受信者の「公開鍵」で暗号化する
  • 受信者:自分の「秘密鍵」で復号する
👉 公開鍵は誰でも知っているので、安全に相手へ渡せます。 👉 秘密鍵は本人しか持っていないので、解読できるのは本人だけです。

2. デジタル署名

逆向きに使うと本人確認ができます。
  • 署名者:自分の「秘密鍵」でデータに署名する
  • 検証者:公開鍵で署名を確認する
👉 秘密鍵を持つ本人だけが署名できるため、改ざん防止や本人性の保証が可能です。

なぜ安全なのか?

  1. 数学的な一方向性
    • 公開鍵から秘密鍵を逆算するのが極めて難しい(素因数分解や離散対数問題などの難問が土台)。
  2. 公開鍵は誰でも使える
    • 公開鍵で暗号化されたデータは「秘密鍵」でしか解読できないため、安心してインターネットに公開できる。
  3. 認証局(CA)による保証
    • 公開鍵が「本当にその人のものか」を保証する仕組み(公開鍵基盤:PKI)で信頼性を担保。

具体的な利用例

  • HTTPS通信(SSL/TLS) ブラウザとWebサーバーの安全な通信で利用されている。最初の鍵交換に公開鍵暗号が使われる。
  • 電子署名 契約書やソフトウェアの配布で「改ざんされていないか」「本物か」を保証。
  • 暗号通貨(Bitcoinなど) トランザクションの署名確認に公開鍵暗号が使われる。

メリットとデメリット

メリット

  • 秘密鍵を共有しなくても安全な通信ができる
  • デジタル署名で本人確認や改ざん検知が可能

デメリット

  • 計算コストが大きい(処理が遅い)
  • そのため、大量データの暗号化には不向き → 実際は「公開鍵暗号で共通鍵を安全に送る」→「共通鍵暗号で通信する」という ハイブリッド方式 が使われる

まとめ(イメージ)

  • 公開鍵=「鍵付きポストの投入口」 → 誰でも投函(暗号化)できる
  • 秘密鍵=「ポストを開ける鍵」 → 本人しか中身を取り出せない(復号できない)

もし「もっと数式ベースの仕組み(RSAや楕円曲線暗号の仕組み)」まで掘り下げたいですか?それとも、実生活での使われ方を中心にもう少し具体的に説明した方がよいですか?

デジタル署名の部分を詳しく教えて下さい

  はい、では デジタル署名(Digital Signature) の仕組みを、できるだけわかりやすく丁寧に説明しますね。

デジタル署名とは?

紙の書類に「手書きの署名」や「印鑑」を押すように、 電子データに対して「この人が作った」ことを証明する仕組み です。 署名をつけることで以下を保証します:
  1. 本人性の確認(署名者が本物かどうか)
  2. 改ざん検知(データが途中で書き換えられていないか)
  3. 否認防止(後から「自分は署名していない」と言い逃れできない)

デジタル署名の仕組み

ステップ1:ハッシュ値を作る

  • 元のメッセージやデータ(例:契約書、メール本文など)から ハッシュ関数(SHA-256など) を使って短い「ダイジェスト(要約)」を計算します。 👉 ハッシュは「データの指紋」のようなもの。1文字でも変われば全然違う値になります。

ステップ2:秘密鍵で署名

  • 作った「ハッシュ値」を 署名者の秘密鍵 で暗号化します。 👉 これが「デジタル署名」です。

ステップ3:署名付きデータを送信

  • 受信者には「元データ」と「署名」がセットで送られます。

検証の仕組み(受信者側)

ステップ1:再度ハッシュを計算

  • 受信者は受け取った「元データ」から同じハッシュ関数を使ってハッシュ値を計算します。

ステップ2:署名を公開鍵で復号

  • 送られてきた署名を、署名者の「公開鍵」で復号します。 👉 復号結果は「署名者が作ったはずのハッシュ値」です。

ステップ3:2つのハッシュ値を比較

  • 計算したハッシュ値と、署名を復号して得られたハッシュ値が一致すれば、 ✅ データは改ざんされていない ✅ 本人が署名した(秘密鍵を使った) と確認できます。

例え話

  • ハッシュ=書類の「指紋」
  • 秘密鍵で署名=印鑑を押す
  • 公開鍵で検証=印鑑証明で照合する
👉 「印鑑を押したのは本人しかできない」「印鑑証明で本物か確認できる」仕組みに近いです。

実際の利用例

  • 電子契約サービス(クラウドサインなど):契約書の真正性を保証
  • ソフトウェア配布:インストーラに署名 → 「改ざんされていない正規版」と確認できる
  • 電子政府システム(マイナンバーやe-Tax):公的申請で本人確認

ポイントのまとめ

  • デジタル署名は「秘密鍵で作る」「公開鍵で検証する」
  • 本文そのものではなく「ハッシュ値」に署名する(効率化&改ざん検知のため)
  • 改ざんがあれば必ず検知できる
  • 本人性・改ざん防止・否認防止を実現

 

公開鍵はサーバーに渡すのですか?渡した鍵で暗号にしてもらうのですか?

とても良い質問です!実際の通信(例:HTTPS でブラウザとサーバーがやりとりする場合)をイメージするとわかりやすいです。

公開鍵はどう扱うのか?

1. 公開鍵の配布

  • 公開鍵は「誰でも入手してよい鍵」なので、サーバーがクライアント(ブラウザなど)に渡します。 例:
    • サーバーは「デジタル証明書(証明書=公開鍵+サーバーの身元情報+認証局の署名)」をブラウザに送信します。
    • ブラウザはその証明書から公開鍵を取り出します。
👉 このとき「本当にそのサーバーの公開鍵か?」を確認するために 認証局(CA)の署名 が役立ちます。

2. 公開鍵を使った暗号化

  • ブラウザ(利用者側)は、サーバーから受け取った公開鍵で 通信に使う「共通鍵」 を暗号化してサーバーに送ります。
  • サーバーは、自分しか持っていない秘密鍵で復号して「共通鍵」を取り出します。
👉 以降のやりとりは、その「共通鍵(AESなど高速な共通鍵暗号)」で通信します。 👉 これを ハイブリッド暗号方式 と呼びます。

流れ(HTTPS の場合)

  1. 接続開始:ブラウザ → サーバーに接続要求
  2. 公開鍵の配布:サーバー → ブラウザに証明書を送る(公開鍵を含む)
  3. 共通鍵の生成:ブラウザはランダムに共通鍵を作り、サーバーの公開鍵で暗号化して送る
  4. 共通鍵の共有完了:サーバーは秘密鍵で復号し、共通鍵を得る
  5. 暗号通信開始:以降は共通鍵でやりとり

まとめ

  • 公開鍵はサーバーからクライアントに渡す(証明書の中に入っている)
  • クライアントは受け取った公開鍵で「共通鍵」を暗号化してサーバーに送る
  • サーバーは秘密鍵で復号 → 共通鍵が共有される
  • 実際の通信は共通鍵暗号で効率よく行う

🔑 ポイント: 「公開鍵で直接すべてのデータを暗号化する」のではなく、 「公開鍵は安全に共通鍵を渡すために使う」というのが実際の使い方です。

デジタル署名では秘密鍵で暗号化されたものを、秘密鍵をもっていない相手に署名付きでおくっても受け取った側は正しいか確認できるのですか?

はい、確認できます 👍 これがデジタル署名の肝心なポイントです。順を追って説明しますね。

前提

  • 署名者(送信者):秘密鍵を持っている人
  • 検証者(受信者):公開鍵しか持っていない人
👉 秘密鍵は本人しか持たない。公開鍵は誰でも入手できる。

デジタル署名の流れ(改ざん検知まで含めて)

署名する側(送信者)

  1. メッセージやデータ(例:契約書やメール本文)から ハッシュ値 を計算
  2. そのハッシュ値を 秘密鍵で暗号化 → これが署名
  3. 「元データ」と「署名」を相手に送る

確認する側(受信者)

  1. 受け取った「元データ」から同じハッシュ関数でハッシュ値を再計算
  2. 署名を 公開鍵で復号 → 送信者が作ったハッシュ値が出てくる
  3. 2つのハッシュ値を比較
    • 一致 → データは改ざんされていない&秘密鍵を持つ本人が署名した
    • 不一致 → 改ざんされている or 本人ではない

ポイント

  • 受信者は 秘密鍵を持っていなくても、送信者の「公開鍵」があれば検証できる
  • なぜかというと、秘密鍵で暗号化したものは対応する公開鍵でしか復号できないから
  • 公開鍵で復号できる=「確かに対応する秘密鍵で署名された」ことがわかる

例え話

  • 秘密鍵で署名=本人しか押せない印鑑
  • 公開鍵で検証=印鑑証明書で「これは本人の印鑑だ」と照合
👉 印鑑証明を持っていれば、実物の印鑑を持っていなくても「正しい印鑑か」を確認できるのと同じです。

注意点

  • 署名では「データ全体」を秘密鍵で暗号化しているわけではなく、 計算効率のために「ハッシュ値(要約)」に署名しています。
  • 受信者は「公開鍵」を信頼できる必要があるので、公開鍵の正当性を保証するのが 認証局(CA)や証明書 の役割です。

✅ まとめると: 秘密鍵を持っていない受信者でも、公開鍵があれば 「確かに本人の秘密鍵で署名された」「データは改ざんされていない」 ことを確認できます。

公開鍵、秘密鍵は暗号化も復号もできるのですか?認証局はどこがになっているのですか?

とても鋭いポイントですね! 順番に整理して説明します。

1. 公開鍵と秘密鍵でできること

公開鍵暗号方式では「公開鍵と秘密鍵」はペアで動作します。 基本ルールは次の通りです:

(A) 暗号化・復号の用途

  • 公開鍵で暗号化 → 秘密鍵で復号 👉 秘密鍵を持っている本人だけが中身を読める(通信の秘密を守る)
  • 秘密鍵で暗号化 → 公開鍵で復号 👉 「この秘密鍵を持つ本人しかできない」ので、本人確認に使える(=デジタル署名)
※ 実際の利用では、暗号化と署名で向きを使い分けています。

2. なぜ両方で暗号化/復号できるのか?

  • 公開鍵と秘密鍵は数学的に強く結びついたペアで、 RSA方式や楕円曲線暗号(ECC)では「片方で処理したものはもう片方でしか戻せない」仕組みになっています。
  • そのため「公開鍵で暗号化したものは秘密鍵で復号」「秘密鍵で暗号化したものは公開鍵で復号」という対称性が成り立ちます。
👉 ただし、セキュリティ上の意味は違います:
  • 公開鍵で暗号化 → 「盗聴されても本人しか解読できない」
  • 秘密鍵で暗号化 → 「確かに本人が作ったものと証明できる」

3. 認証局(CA)とは?

役割

  • 「この公開鍵は確かに○○さんのものですよ」と保証してくれる 信頼の第三者機関 です。
  • 公開鍵そのものは自由に配れるけど、偽物とすり替えられたら意味がない → それを防ぐために 証明書(公開鍵+本人情報+CAの署名) が発行されます。

具体例(世界で使われる主な認証局)

  • DigiCert(米国)
  • GlobalSign(ベルギー)
  • Entrust(カナダ)
  • Sectigo(旧 Comodo)
  • Let's Encrypt(米国、無料で広く利用)

仕組み

  • 認証局自身も「ルート証明書」という公開鍵を持っていて、それが各OSやブラウザにあらかじめ組み込まれています。
  • サーバー証明書は「中間認証局」を経由して署名され、証明書チェーンとしてブラウザが検証できる仕組みになっています。
👉 つまり「ブラウザやOSに最初から登録されているルート認証局」を信じることで、サーバーの公開鍵も信頼できる、という流れです。

4. まとめ

  • 公開鍵と秘密鍵は どちらでも暗号化・復号ができる
    • 公開鍵で暗号化 → 秘密鍵で復号 → 秘密保持
    • 秘密鍵で暗号化 → 公開鍵で復号 → 本人確認(署名)
  • 認証局(CA)は「公開鍵が本物であること」を保証する第三者機関
  • 代表的な認証局は DigiCert、GlobalSign、Let's Encrypt など
  • ブラウザやOSには「ルート証明書」が最初から組み込まれているので、利用者は特に意識せず信頼できる