特定口座で投資した商品の価格が上昇し含み益がある場合、利益確定をするとその時点で税金がかかります。このため、一見特定口座で継続して運用した方がよいように思えますが、実はそうではありません。

例えば、特定口座で保有している投資元本100万円の商品が現在50%上昇していて、含み益が50万円あるとします。ここから最終的にさらに50%上昇するケースを考えてみましょう。

まず、現在この商品を売却して新NISA口座で買い直した場合を考えます。この時、税率を20%とすると税金額は10万円(50万円×20%)となるため、新NISA口座での投資金額は140万円となり、以降の利益は非課税となります。そして、そこからさらに50%上昇するわけですから、最終的な投資成果は210万円になります。

一方、そのまま特定口座で投資を継続した場合を考えます。150万円がさらに50%上昇するため、税引き前の投資成果は225万円になります。この時、利益は125万円ですから、税率を20%とすると税金額は25万円となり、税引き後の投資成果は200万円となります。

このように、新NISA口座で買い直した方が最終的な投資成果は大きいという結果になりました。この違いはいったいどこから生まれるのかというと、ズバリ「課税されるタイミング」です。

投資成果はプラスになるという前提の下では、運用期間の最後が最も利益率が大きい状態になります。通常は運用期間の最後に課税されますが、途中新NISA口座で買い直すことによって、実質的には課税タイミングを前倒したことになるのです。

 

特定口座から新NISA口座への移管はできる?売却すべき?方法と移し方も解説

口座の移し替えはクロス取引になりませんか?

クロス取引とは、同一人物または関連する人物が売り手と買い手の両方を務め、実際には株式やその他の資産が移動しない取引を指します。このような取引は、市場の価格形成に影響を与えず、通常の市場取引とは異なる性質を持っています。

特定口座から新NISA口座への資産の移し替えの際には、一般的に株式などの資産を市場で売却し、その後新NISA口座で再度購入するという手順を踏みます。このプロセスは、実際に市場で取引が行われるため、クロス取引とは異なります。

ただし、日本においては、特定口座からNISA口座への資産の移管において特別なルールが適用されることがあります。これには、「一般NISA」から「つみたてNISA」への移管などが含まれますが、通常これらの移管は市場を介さずに行われ、売買手数料や税金の面で特別な扱いを受けることがあります。

特定口座と新NISA口座間の資産の移し替えについては、金融機関や税務の専門家に確認することをお勧めします。法規制や税制が複雑なため、個々のケースに応じた正確な情報を得るには専門家の助言が必要です。また、資産の移管や売買に関する決定を行う際には、市場の影響、税金、手数料などの諸要素を慎重に考慮することが重要です。

 

米国株で取引を行いたい場合、市場が開いていない時間に売り注文と買い注文をいれるといったケースはクロス取引になりますか?

米国株で取引を行う際、市場が開いていない時間に売り注文と買い注文を入れるケースについて考えます。この状況がクロス取引に該当するかどうかは、注文の性質と取引所のルールによって異なります。

クロス取引の定義
クロス取引は、通常、同一人物または関連する人物が売り手と買い手の両方を務め、実際には株式などの資産が市場を介さずに移動する取引を指します。このような取引は、市場価格の透明性を損なう可能性があり、多くの市場では規制されています。

市場外時間の注文
市場が閉じている時間に注文を入れる場合、これらの注文は通常、「プレマーケット」や「アフターマーケット」と呼ばれる取引セッションで処理されます。これらの注文は市場が再開するときに実行されるか、特定の条件を満たした場合に実行されます。

クロス取引に該当するか
同一人物による売買:もし同一人物が売り注文と買い注文を同時に出していて、それらが自己の間で約定する場合、これはクロス取引の定義に該当する可能性があります。
異なる人物による売買:異なる市場参加者間での取引は、クロス取引には該当しません。
注意点
市場ルールと規制:各国の証券市場には、クロス取引に対する独自のルールと規制が存在します。米国市場においても、クロス取引に関する特定の規制が適用される場合があります。
証券会社のポリシー:投資家が利用する証券会社には、このような取引に対する独自のポリシーがある場合があります。
結論
市場が開いていない時間に売り注文と買い注文を入れる行為自体が必ずしもクロス取引に該当するわけではありませんが、同一人物による売買で市場を介さずに取引が成立する場合はクロス取引に該当する可能性があります。重要なのは、取引が市場の透明性と公正性を損なわないように行われることです。不確実な場合は、証券会社や法律の専門家に相談することをお勧めします。

 

実際に注文を入れたら「クロス取引になる可能性があるため、注文の受付ができません。」と警告されました。この場合市場が開く時間までまつと回避できますか

 

「クロス取引になる可能性があるため、注文の受付ができません」という警告が表示された場合、それはお使いの証券会社がクロス取引を防ぐための措置を講じていることを示しています。このような警告は、特に市場外時間に同一人物が売買両方の注文を出した場合に発生することがあります。

市場が開いている時間に注文を行うことで、クロス取引のリスクを回避することは可能です。市場が開いている間に行われる取引は、より多くの市場参加者による価格競争の下で行われるため、公正な市場価格に基づいて約定する可能性が高くなります。

対処法
市場営業時間に注文する:
市場が開いている時間に注文を入れることで、他の市場参加者との間で正当な競争条件のもとで取引が行われるため、クロス取引の懸念は軽減されます。

注文の種類を検討する:
注文の種類(成行注文、指値注文など)や条件を変更することで、警告が出る状況を回避できるかもしれません。

証券会社に相談する:
警告の理由や回避策について、お使いの証券会社に直接確認することをお勧めします。彼らは具体的な事情やポリシーに基づいて最適なアドバイスを提供できるでしょう。

注意点
市場の時間帯:特に異なるタイムゾーンにある市場(例えば米国株)で取引する場合、その市場の営業時間を正確に把握しておくことが重要です。
規制の理解:証券会社や市場が設けている規制やポリシーを理解し、遵守することが重要です。適切な知識を持たずに行動すると、意図しない規則違反を引き起こす可能性があります。
市場が開く時間まで待ってから注文を行うことは、クロス取引の問題を回避するための一般的で合理的な方法です。

 

参考:【株式投資・資格取得・副業でマネーマシンを作る】管理人のポートフォリオ・スペック