GPTとの会話:https://chatgpt.com/share/68185dca-57a4-800d-a402-9868587a7191
①:The Economics of Generative AI
https://apoorv03.com/p/the-economics-of-generative-ai
Apoorv Agrawal氏の「The Economics of Generative AI」は、生成AI(Gen AI)の経済構造とその将来性について分析した記事です。特に、現在の利益配分がどのように変化していくかに焦点を当てています。
現在の利益構造:半導体層の圧倒的優位
生成AIの技術スタックは、以下の3層に分けられます:
半導体(Semis):NVIDIAが市場の95%以上を占め、2024年1月期のデータセンター収益は約180億ドル。年間換算で約750億ドルと推定されます。
インフラ(Infra):AWS、GCP、AzureなどのハイパースケーラーやCoreweave、Lambdaなどの推論クラウドが含まれ、年間収益は約100億ドルと見積もられます。
アプリケーション(Apps):OpenAI、Anthropic、Midjourneyなどの生成AIアプリケーションが含まれ、年間収益は約50億ドルと推定されます。
この構造により、半導体層が全体の約83%の収益を占めており、クラウド業界における約10%と比較しても非常に高い割合です。
利益率の比較:半導体層の高収益性
各層の粗利益率は以下の通りです:
半導体:NVIDIAのデータセンター製品は約85%以上の粗利益率を誇ります。
インフラ:GPUの減価償却を含めると、粗利益率は約25〜30%に低下します。
アプリケーション:Anthropicなどは約50〜55%の粗利益率と推定されます。
結果として、生成AIエコシステム全体の粗利益の約88%が半導体層に集中しています。
将来の展望:アプリケーション層への価値移行
Agrawal氏は、現在の「逆ピラミッド型」の収益構造が永続するとは考えておらず、将来的にはアプリケーション層がより多くの価値を獲得すると予測しています。これは、モバイルやクラウドの進化と同様のパターンであり、初期はインフラや半導体に価値が集中し、時間とともにアプリケーション層へと移行していきました。
具体的には、以下のような段階を経ると考えられます:
初期段階(現在):半導体層が主導。
中間段階:インフラ層の成長。
成熟段階(今後数年):アプリケーション層が主要な価値創出の中心となる。
この移行により、アプリケーション層での新たなビジネスチャンスが生まれると期待されています。
NVIDIAの将来:高利益率の持続性
NVIDIAの現在の高い粗利益率(約85%以上)は、将来的には低下する可能性があります。これは、新しい製品(例:B100、H200、H20)の登場や競合他社の進出により、価格競争が激化するためです。しかし、CUDAエコシステムの強固な基盤や、研究・産業界での広範な採用により、NVIDIAの優位性は短期的には維持されると考えられます。
結論:アプリケーション層へのシフトと半導体層の持続的優位
生成AIのエコシステムにおいて、現在は半導体層が圧倒的な収益と利益を上げていますが、将来的にはアプリケーション層への価値移行が進むと予測されます。しかし、NVIDIAの技術的優位性やエコシステムの強固さにより、短期的にはその地位が揺らぐことはないでしょう。このように、アプリケーション層の成長と半導体層の持続的優位が同時に進行する時代が続くと見られます。
もうかるレイヤーが移行していくのはほとんどの業界で当てはまりますか?
はい、「もうかるレイヤー(利益が集中する層)が時間とともに移行していく」現象は、多くの業界で当てはまる傾向があります。
少し整理して説明しますね。
なぜ「もうかるレイヤー」は移行するのか
基本的な流れはこうです:
初期フェーズ
→ 新しいインフラや基盤技術(例:半導体、クラウド、鉄道、インターネット回線など)が登場する。
→ まだ希少なので、これを持っている企業が莫大な利益を得る。
普及フェーズ
→ インフラが広まり、供給が増えてコモディティ化(差別化できない一般商品化)する。
→ 基盤の価値は薄れ、価格競争が激しくなり、利益率が低下する。
成熟フェーズ
→ 基盤の上で動くアプリケーションやサービスが差別化され、価値の源泉になる。
→ 利益が「上のレイヤー」に移行していく。
実際の例
業界 初期に儲かったレイヤー 後に儲かったレイヤー
鉄道(19世紀) インフラ建設・鉄道会社 鉄道網を活かした物流・都市開発
インターネット(1990s) 通信インフラ(ISP、ケーブル敷設会社) Webサービス(Google、Amazon、Netflix)
スマホ(2000s) ハードウェア(Nokia、BlackBerry) アプリ・プラットフォーム(Apple、Google)
EV(電気自動車) バッテリー・駆動技術 ソフトウェア(自動運転、エンタメ)
クラウド(2010s) クラウドインフラ(AWS, Azure) SaaSアプリケーション(Salesforce, Zoom)
生成AIでも同じパターン
Apoorv氏の記事もまさにこの構造を指摘していましたね。
いま(初期):GPU(NVIDIA)・クラウドインフラが圧倒的に儲かっている
これから(成熟):アプリ層(ChatGPT、Anthropic、独自の専門AI)が主役になる
つまり、「技術の普及が進むと、土台では儲からず、その上で動くものが儲かるようになる」という現象は、かなり普遍的です。
まとめ
ほとんどの業界で「もうかるレイヤー」は時間とともに上へ移っていく
初期は基盤(インフラ・ハード)が儲かるが、成熟期にはアプリケーション・サービス層が儲かる
普及とコモディティ化がこの移行を促す
もし興味があれば、「この現象にうまく乗るためにどうすればいいか」みたいな話も続けられます!
興味ありますか?(→ 例:起業や投資のヒントにもなります)
ゴールドラッシュのときのレイヤー移行を教えて下さい
いい質問です。
ゴールドラッシュ(特に19世紀半ばのアメリカ・カリフォルニア)にも、はっきりとしたレイヤー移行がありました。
順を追って説明しますね。
ゴールドラッシュの「レイヤー移行」まとめ
フェーズ 儲かったレイヤー 内容
初期(1848–1850頃) 金鉱採掘そのもの 直接金を掘った人(=最初にたどり着いた少数)が莫大な利益を得た
中期(1850–1855頃) 採掘を支えるインフラ・物資・サービス 金を掘る人に道具・食料・衣類・宿泊を提供する業者が儲かった(リーバイスもこの時)
後期(1855以降) 土地・都市・交通・銀行・法律サービス ゴールドラッシュで膨れた人口に向けて、土地開発・商業・金融業が栄えた
もっと詳しく:それぞれのレイヤー
初期:金を掘る人たちが直接儲かった
ごく最初に到着したごく一部の人(ロッキー山脈以西を渡った先駆者など)は、ほぼ労力だけで金を掘り出し、巨万の富を得た。
ただし、大多数の「後から来た人」は、採掘地に着いたときにはもう金脈は減っていて、ほとんど儲からなかった。
中期:道具、食料、衣類、サービス提供者が儲かった
金鉱堀りたちは、スコップ、パンニング皿、テント、食料、衣類を必要とした。
**供給業者(リーバイ・ストラウスが作ったリーバイスジーンズなど)**が巨額の利益を上げた。
実際、「金を掘るより、金を掘る人に売る方が儲かる」と言われたのがこの時期です。
鉄道や港の建設も、このフェーズで急激に進みました。
後期:都市開発・不動産・金融・法務の成長
ゴールドラッシュに群がった人々は、そのまま現地に住み着いた。
そこで土地の取引、町の開発、商店経営、銀行設立、裁判所運営といった都市ビジネスが繁栄。
サンフランシスコはこのゴールドラッシュをきっかけに大都市に成長しました。
まとめ:ゴールドラッシュ型レイヤー移行
最初は「資源そのもの」を掘った人が儲かった。
次には「資源を掘るための支援ビジネス」が儲かった。
最終的には「都市・経済基盤の運営者」が儲かる構造に変わった。
→ つまり、基礎→支援インフラ→上層ビジネスと、順番にレイヤーが上へ上へと移動した、典型例です。
興味があれば、「現代のAIブームとゴールドラッシュを比較」みたいな視点も出せます!
続けますか?(すごく面白いです)
ゴールドラッシュでは金から離れていっていますが、AIではAI側に近づいてないですか?
鋭い視点です。
おっしゃる通り、ゴールドラッシュとAIブームではレイヤー移行の「向き」が違うのです。
少し整理して説明しますね。
ゴールドラッシュ型:資源から「離れていく」移行
最初 → 金という天然資源を直接掘る
次に → 金を掘る人を支援するビジネスへ(道具、食料、宿泊など)
最後 → 町や経済インフラへ(不動産、銀行、商店)
→ つまり「金そのものから物理的にもビジネス的にも離れていく」流れです。
AIブーム型:AI「そのもの」に近づいていく移行
最初 → AIを動かすインフラ(GPU、データセンター)が儲かる(物理層)
次に → AIのモデル開発・API提供(OpenAI、Anthropic)
最後 → AIの能力を活用したアプリケーション層(Copilot、AIネイティブなSaaS、個別特化型AIサービス)
→ つまり「AIという知能コアそのものを使いこなす層に近づく」流れです。
まとめ:ゴールドラッシュとAIのレイヤー移行の違い
項目 ゴールドラッシュ AIブーム
資源との距離 金からどんどん離れていく AI本体にどんどん近づいていく
初期利益 資源そのもの(金鉱採掘) インフラ(GPU、データセンター)
成熟期利益 人間社会の経済活動(都市、商業) AIを直接使った知能活動(アプリケーション)
最終価値の源泉 社会インフラ、経済システム 知能・思考・推論・創造
なぜ違うのか?
この違いの背景には大きな理由があります:
金は「物質」であり、一度掘ったら終わり。「有限の資源」です。
AIは「知能」であり、使えば使うほど成長したり、派生サービスが生まれる。「拡張する資源」です。
→ つまり、
金=使い切るもの、AI=使うほど増殖するもの
という性質の違いが、「離れる/近づく」の違いを生んでいるわけです。
結論
ゴールドラッシュは「有限の物質資源」に向かう一方、社会は金から離れていった
AIブームは「無限に拡張できる知能資源」であり、社会はますますAIそのものに近づいていく
この違いは、ビジネスチャンスを考えるときにもめちゃくちゃ重要です!
たとえば、「AIの上に乗るビジネスは、単なる周辺支援ではなく、知能の活用そのものを深めるほど強い」ということがわかります。
もし希望があれば、
→ AI時代に「どこに張ると最も強いか」
についても続けて詳しく解説できます。
②:China firm sets world record with 34.85% efficient crystalline silicon PV tandem solar cell
https://interestingengineering.com/energy/longi-sets-record-crystalline-silicon-pv
中国の太陽光発電企業LONGi(ロンジ)は、結晶シリコンとペロブスカイトを組み合わせたタンデム型太陽電池で、変換効率34.85%という世界記録を達成しました。この成果は、米国エネルギー省の国立再生可能エネルギー研究所(NREL)によって確認されています。
技術的背景と意義
タンデム構造:結晶シリコンとペロブスカイトの2つの材料を組み合わせることで、理論上の変換効率限界である43%に近づくことが可能です。これは、単接合型太陽電池のショックレー・クイッサー限界(33.7%)を大きく上回ります。
二端子設計:LONGiの開発したセルは、二端子構造を採用しており、既存のシステムとの互換性が高く、実用化に向けた利点があります。
界面パッシベーション戦略:電子の移動を最適化し、正孔の再結合を抑制するために、二層の界面パッシベーション技術が導入されています。
過去の記録と進展
2023年11月:33.9%の変換効率を達成。
2024年6月:34.6%に向上。
2025年4月:34.85%の世界記録を更新。
これらの成果により、LONGiは単接合型およびタンデム型太陽電池の両方で世界記録を保持する「ダブルチャンピオン」としての地位を確立しています。
今後の展望
この技術革新は、太陽光発電の効率向上とコスト削減を同時に実現する可能性を秘めており、再生可能エネルギーの普及を加速させると期待されています。特に、従来の単接合型太陽電池の限界を超える性能を持つタンデム型太陽電池は、次世代の主力技術として注目されています。
タンデム太陽電池の最新の研究動向を調査してまとめて下さい
了解しました。タンデム太陽電池に関する最新の研究動向について、論文ベースで調査を開始します。ペロブスカイト/シリコン型を中心に、技術的な進展、効率記録、材料構造、実用化の課題などに注目してまとめます。
完了次第、論文タイトルや要点を含めてご報告いたします。
ペロブスカイト/シリコン型タンデムの効率記録と技術要因
- 世界最高効率更新(2023–2024年):中国のLongi社が2024年6月に34.6%を達成(ESTI認証)。Longiは「電子輸送層の薄膜最適化、欠陥パッシベーション材開発、界面パッシベーション構造設計」により記録を実現したと報告。同様に、JinkoSolarは2024年5月にTOPCon基板で33.24%を達成。同社は「超薄型ポリシリコンパス接合、光トラッピング技術、高透過・高移動度の再結合層、高効率ハイブリッドパッシベーション材」を導入したことを述べている。サウジKAUSTの研究チームはScience誌(2024年)に33.7%を報告(Esma Ugurら)し、ペロブスカイトに新規添加剤(テトラヒドロトリアジニウム)を導入して結晶相の安定性と界面品質を向上させたことが成功要因とされた。さらに、劉建(Jiang Liu)らNature論文(2024年)はSi基板を前後で二重テクスチャ加工し、LiF超薄層+二ヨウ化物の二層パッシベーションを用いて、33.89%(FF 83.0%、Voc≈1.97V)を達成した。これらの効率向上は、セル構造の最適化と先端パッシベーション(界面再結合抑制)技術によるものである。
材料・構造・設計の革新
- 界面・パッシベーション技術:ペロブスカイト上部とSi間の界面に二次元(2D)ペロブスカイト層を設けることで再結合を抑制する手法が有効。KAUST/HZBのJoule誌報告(Subbiahら2024年)では、下部界面に2Dペロブスカイトを導入した両端接合(p–i–n)構造で31.2%を達成した。また劉論文では、LiF薄膜とジアミン剤による二重界面パッシベーションで高電子抽出を実現し、再結合損失を低減した。
- 2D/3Dヘテロ接合と吸収材:ペロブスカイト自体にGu系2次元相(ACI相)を含む混晶を開発し、2D/3Dヘテロ接合を形成する研究も進む。Peiら(Nature Commun. 2024年)は、2D/3D混在界面を用い、広帯域ギャップ(1.66–1.70eV)ペロブスカイトセルで20.79%を、これを積層したタンデムで30.65%を達成。インターフェースとペロブスカイト層の設計により電荷抽出を強化し、熱・湿度安定性も大幅に向上している。
- 光学・デバイス設計:Si基板の前面微細テクスチャと背面深テクスチャによる光捕捉増大が行われている。反射防止膜(MgF₂等)や透明導電膜の最適化も進む。東京市大グループは下部に薄膜Siヘテロ接合、上部に透明逆構造ペロブスカイトを重ねた可撓型デバイス(Top cellにカーバゾール系SAMを用いる)で26.5%を達成した。また、工業適用を見据え、スピンコートではなくブレードコーティング等のインクジェット・コーティング技術による製造プロセスの導入が重視されている。
長期安定性とスケーラビリティ
- 耐久試験・エンベロープ:ペロブスカイト層の熱湿度耐久性向上が報告されている。Peiらは85℃/85%RH試験で1000時間後に98%効率維持、KAUSTは75℃大気下で300分で82%維持とコントロールセルを上回る結果を示した。ブレードコート型タンデム(サブバイア他)は、1-sun下1700時間後でも80%の性能保持を確認した。これらの結果は封止パッケージング技術と耐候性材料の進展を反映している。
- モジュール化・コスト:研究室規模から大面積製造への橋渡しも進む。Fraunhofer ISEとOxford PVは1.68m²の産業フォーマットモジュールで25.0%を達成し、25%モジュール効率は実用化に有望とされた。米国NRELのコスト解析(Joule 2025年)では、モジュール効率25%・年間生産3GWで$0.428/W(2端子系)を見込み、セル構造や工場スループットがコスト競争力に大きく影響することが示されている。
- 寿命と信頼性:ペロブスカイト/Siタンデムの長寿命化は依然課題で、ライフタイム8–10年以上を目指す指摘がある。ライフサイクル解析では材料の環境負荷やリサイクル性も重要視されており、鉛封止技術や耐久試験プロトコルの標準化が求められている。
実用化への課題と展望
- 大面積化・製造技術:大面積での均一塗布、薄膜パターン形成、レジストとエッチング技術の確立などが検討されている。スピンコートに代わるブレードコートやロールtoロール技術はスループット改善に資する。
- コスト・サプライチェーン:高効率なシリコン基板(TOPCon、HJTなど)のコスト低減、工程数削減が鍵である。前述のTEA結果が示すように、効率向上だけでなく量産技術の開発が経済性に直結する。
- 耐久性・安全性:高温・高湿下での長期安定化、鉛含有層の封止・リサイクルも重要課題だ。最近のレビューでは「耐久性とライフサイクル上の環境負荷が商業化の大きな障壁」と指摘されており、10年耐久と信頼性の証明が必要とされている。
- 規格・認証:IEC規格適合(湿熱・熱衝撃・UV耐性等)や信頼性試験プロトコルの整備が進められている。米国・欧州の研究者らは3端子・4端子構成の技術的選択肢も模索しており、長期的な市場投入シナリオが検討されている。
主要研究機関・企業・コンソーシアムの取り組み
- 学術機関:King Abdullah Univ. (KAUST, サウジ) はKPVラボで世界記録セルを発表。Helmholtz-Zentrum Berlin (HZB) やFraunhofer ISE(独)、NREL(米)、Ecole Polytechnique Fédérale de Lausanne (EPFL, スイス) なども基礎・応用研究で主導的役割を果たしている。東京市大、京都大、東京工業大など日本の研究グループも柔軟性・低温プロセスの研究で貢献している。
- 企業・産業界:Oxford PV(英)とFraunhoferは共同でタンデムモジュール開発し25%達成。中国のLONGiやJinkoはセル効率の世界記録を競い、中国科学院認定試験機関で成果を認証している。Trina Solarなどは特許出願数でリードし、BOE Technology、Auorner などの中国企業もタンデム技術に注力している。米SunPower(Maxeon)、韓国Hanwha Q CELLS系企業、インドIIT・産学連携団体などでも取り組みが見られる。
- コンソーシアム・プロジェクト:欧州では“H2020/TandemPV”プログラムや国家プロジェクト(例:英国SUPER PVプログラム)、中国の“True Innovation Labs”やTSAN (Tandem Solar Cell Alliance Network) などが産官学連携を推進している。また、国際エネルギー機関(IEA)の太陽光部門もタンデムPVを重点テーマに挙げている。
【参考論文】Esma Ugur et al., Science 376, 59–64 (2024); Jiang Liu et al., Nature 624, 124–130 (2024); Anand S. Subbiah et al., Joule 9, 1–20 (2025); Fengtao Pei et al., Nat. Commun. 15, 51345 (2024); Waseem Akram et al., RSC Sustainability (2025) など。各出典の詳細な実験結果と解析は上記文献や引用を参照のこと。
③:AI 2027
https://ai-2027.com/
「AI 2027」は、元OpenAI研究者のDaniel Kokotajlo氏らが中心となって運営する非営利団体「AI Futures Project」による、2025年から2027年にかけてのAI進化とその社会的影響を予測したシナリオプロジェクトです。このプロジェクトでは、AIの進化が産業革命を超えるインパクトを持つと予測し、具体的かつ定量的な未来像を描いています。
プロジェクトの目的と特徴
予測の精度重視:未来予測の曖昧さを避け、具体的かつ定量的なシナリオを提示。
シナリオの多様性:異なる未来の可能性を示すため、複数のエンディング(例:slowdown、race)を用意。
専門家の協力:約25回のテーブルトップ演習と100人以上の専門家からのフィードバックを基にシナリオを構築。
公開と議論の促進:シナリオを公開し、広範な議論を促進。優れた代替シナリオには賞金を提供。
2025年から2027年のAI進化タイムライン
2025年:初期のAIエージェントが登場し、個人アシスタントやコーディング支援などで活用され始める。
2026年:AIの能力が飛躍的に向上し、AIによるAI研究の自動化が進展。
2027年:人間の専門家を超えるAI(superhuman AI)が登場し、年末までに人工超知能(ASI)に到達。
主要なリスクと懸念
AIの目的の不一致:ASIが人間の意図と異なる目的を持つ可能性があり、制御が困難になるリスク。
権力の集中:特定の組織や国家がASIを独占し、世界の未来を左右する可能性。
安全性の軽視:国際的な競争が激化する中で、安全対策が後回しにされる懸念。
情報の非対称性:一般市民が最新のAI能力について知らされず、重要な意思決定が限られた人々によって行われるリスク。
プロジェクトの背景と目的
「AI 2027」は、AIの進化がもたらす可能性とリスクについて、具体的なシナリオを通じて社会全体で議論し、より良い未来への道筋を模索することを目的としています。このプロジェクトは、AIの未来に関心を持つ政策立案者、研究者、企業、一般市民にとって、貴重な思考の出発点となるでしょう。
なんか飛躍した話ですね
そうですね、ご指摘の通り「AI 2027」はかなり飛躍的かつ大胆な未来予測を提示しています。
特に「2027年に人工超知能(ASI)が登場する」という予測は、多くの専門家の中でも意見が大きく分かれる話題です。
なぜ飛躍していると感じられるのか?
タイムラインが非常に短い
2025年:個人AIエージェント
2026年:AIがAI研究を自動化
2027年:超人的AI、ASIに到達
→ これは、今のChatGPTのようなLLMを「出発点」として考えても、2〜3年でAGI/ASIに進化するという強い前提が必要です。
人類社会全体がAIによって再編される前提
政治・経済・軍事までAIが主導し、最終的に「人間は意思決定者でなくなる」可能性も示唆されています。
安全性や制御不能性に対する懸念が極端
「制御不能になる」未来や、「意図しない目標を持つAI」が人類を脅かすという構図は、映画的でもあり、現実とのギャップを感じる人が多いかもしれません。
ただし、評価すべき点もある
技術楽観でも悲観でもなく、シナリオ思考として描かれている
→ 彼らは「この通りになる」と主張しているというよりも、「もしこうなったら何が問題か?」を可視化するためのプロジェクトです。
曖昧な未来予測に対し、あえて“定量的に描く”姿勢
→ 曖昧な言葉ではなく、何年に何が起きるかを明記し、「議論の材料」として提供している点はユニークです。
まとめ:飛躍しているが、意図的でもある
「AI 2027」は、飛躍した未来像を提示することで
技術者や政策担当者が「備えるべきリスク」を明確にし
社会が早めに議論を始めるための起爆剤を提供している
とも捉えられます。
ご希望があれば、「現実的なAIの発展見通し」や「2027年時点での実用AI技術の予測」など、バランスの取れた視点でもお答えできます。興味ありますか?